アイスランド首相Sigmundur Davíð Gunnlaugssonは、パナマ文書に記載された会社と繋がる多数の政治家の1人であることが判明したことで、解散総選挙を迫られている。海賊党は最新の世論調査で第1位につけており、アイスランドに海賊党が率いる連立内閣が成立することになるかもしれない。

2015年8月、ある匿名の情報提供者が、ドイツの新聞社Süddeutsche Zeitung(SZ)に、パナマの法律事務所Mossack Fonsecaが作成した1150万の秘密文書をリークした。

1970年代から現在までの、2.6テラバイトにおよぶこの文書(通称パナマ文書)は、世界に点在する21万4000の匿名オフショア企業を白日のもとに晒した。こうしたオフショア企業はしばしば、オーナーの素性や取引などを隠して設立されている。

「このデータは、闇のなかでのみ存在しうる世界を暴き出すものである。大手銀行、法律事務所、資産管理企業などのグローバル産業が、世界の富裕層――政治家、FIFA役員、詐欺師、麻薬密売人から、セレブリティ、プロスポーツ選手に至るまで――の資産をいかにして秘密裏に管理してきたかを明らかにしている」とSZは記している。

このスキャンダルの泥沼にはまった1人が、アイスランド首相のSigmundur Davíð Gunnlaugssonである。リークされたパナマ文書により、夫人のAnna Sigurlaug Pálsdóttir(41)が、本国アイスランドの経済危機のさなか、租税回避のため数百万ドルを抱えるオフショア企業を所有していたことが判明した。

Guardianによると、Gunnlaugsson首相は、2007年に英国領ヴァージン諸島で設立したWintris Inc.という資産管理会社を夫人と共同所有していたという。

Gunnlaugsson首相は、2年ほどWintrisの株式50%を所有していたが、その後、残りの50%の株式を持つ夫人に譲渡したという。しかし、彼は、Wintrisの株主であった時期に、議会で進歩党のリーダーに選出されていたにもかかわらず、国会議員に義務づけられている資産報告にWintrsiの株式を報告していなかった。

昨日、自身を追求するインタビューを途中で打ち切ったGunnlaugssonは、現在、解散総選挙を求める声に直面している。


もし実際に総選挙が行われることになれば、アイスランドの政治は一変してしまうかもしれない。Gallupが先週金曜に公表した最新の世論調査によると、アイスランドでもっとも支持を集めている政党は海賊党であった。

以下のグラフからも明らかなように、海賊党は大差で一番人気であるだけでなく、現在の連立与党である独立党・進歩党の支持率を合算してなおリードしている。しかもこれは、パナマ文書がリークされる以前の調査である。

iceland-poll

連立政権に頼る国にとってこれは一大事であり、アイスランド海賊党にとっては偉業である。2013年、アイスランド海賊党は、設立からわずか数ヶ月にもかかわらず、5.1%の得票で国会に3人の議員を送り込んだ。

現在、アイスランド海賊党はさらなる偉業を達成すべく目論んでいる。スポークスパーソンのBirgitta Jónsdóttirは、同党は準備万端だと話す

「このようなおかしな時代には、何が起こってもおかしくはありません」と彼女はいう。

「状況はまだ流動的です。しかし、もしことが起こったとしても、私たちは準備ができています。世論調査で高い支持率を獲得してから、私たちはずっと期待されてきました。もう準備はできています」

Jónsdóttirは、Gunnlaugsson首相が辞任しないのではないかという。首相は昨晩、テレビの生放送で事実をおおよそ認めつつ、パナマ文書は夫妻のビジネスについて「既知のこと(nothing new)」に触れているだけだと述べている。

とはいえ、この嵐は収まりそうにない。政府の財務大臣と内務大臣もオフショア会社を所有していたことが発覚し、数千人がアイスランド議会前で辞任を求めるデモを行った。

今後の展開はいまだ不透明ではあるが、海賊党主導の連立政権という可能性は実に興味深いところである。

更新:Sigmundur Davíð Gunnlaugssonアイスランド首相が辞任した


Author: Andy / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: April 05, 2016
Translation: heatwave_p2p

確かに状況は流動的で、首相は解散総選挙に打って出ようとしていたが、野党が提出していた内閣不信任決議案の採択を前に辞任を決断した。与党は後任をたてて連立政権の維持をはかる構えを見せており、解散総選挙の可能性はそこまで高くないのかもしれない。

とはいえ、財政破綻からようやく立ち直りつつあるアイスランドで発覚したこのスキャンダル。きちんと国民の信を問うべきではないだろうか。