以下の文章は、Access Nowのブログシリーズ「Surveilling Europe’s edges」のパート1「when digitalisation means dehumanisation」、パート2「when research legitimises border violence」、パート3「detention centres as a blueprint for mass surveillance」を翻訳したものである。
PART 1: デジタル化が非人間化を意味するとき
2024年5月、Access Nowのカテリーナ・ロデッリはギリシャを横断した。彼女は移民支援や人権侵害の監視に携わる現地NGOと面会し、欧州の国境で監視技術がどのように、そしてどこで使われているかを自らの目で確かめた。彼女の3部構成のブログシリーズの第1回では、国境のデジタル化が、そこを越えようとする人々を非人間化している実態に迫る。
新しいEU移民・難民協定が承認されてわずか数週間後の2024年5月、私はギリシャを訪れた。欧州に入ろうとする移民に対し、デジタル監視がどのように展開されているかを自分の目で確かめるためだ。実際に見てすぐに分かったのは、国境管理のデジタル化がEUの移民政策に内在する「人間性の剥奪」プロセスの中核を担っているという事実だった。
Equinox Initiative for Racial Justiceが指摘するように、EUの「要塞欧州」アプローチは、すべての移民をデフォルトでセキュリティ上の脅威とみなしている。つまり「人種的に異質で劣っており、欧州の理念を脅かす存在」として暗に示唆されているのである。そして、このような考えに基づく技術が国境に配備されている。こうしたデジタルツールが「中立的」あるいは「客観的」だと主張される一方で、自動意思決定システムや監視技術の使用が既存の不平等を拡大し、すでに組織的に抑圧されている人々をさらに追い詰めていることが明らかになっている。
移民の基本的人権の侵害は、徐々に自動化され、当たり前のこととして受け入れられるようになってきた。私が自ら目にしたように、ギリシャはこのプロセスの実験場として長年機能してきたのである。
// 難民申請手続きのデジタル化
最初に訪れたのは、ギリシャ第2の都市テッサロニキだった。そこで、支援活動の犯罪化が進む中、ギリシャでの安全を求める人々を支える移民支援団体と面会した。その中の一つがMobile Info Team、2016年から非正規移民や庇護希望者に法的支援を提供している団体だ。
彼らは、ギリシャ政府が推進するデジタル変革バイブル2020-2025の実施状況について、洞察に富んだ情報を共有してくれた。この計画には移民・難民システムも含まれている。具体的には、複数のプロジェクトが進行中していて、国の移民データベースの拡張と警察の情報システムとの連携(Alkyoni II)、移民収容施設におけるデジタル監視インフラの設置(Centaurus)、そして受入施設や収容施設への出入りを追跡するバイオメトリクス監視システムの導入(Hyperion)などがある。これらは移民だけでなく、ギリシャ人や国際的な支援者にも影響を及ぼしている。
これらのプロジェクトは「移民の流れを効果的に管理する」ことを目的としているが、人権保護は優先事項とはなっていない。これは驚くべきことではない。ギリシャ政府がEUの国境封鎖計画を誇らしげに推し進める中、デジタル化は、国境内での安全を求めて行動を起こす人々を罰するための技術的手段となっているのだ。
称賛の声が上がったEU移民・難民協定の採択は、この懲罰的アプローチをさらに強化し、移民の命を左右する新たなデジタル監視時代の幕を開けることになる。ギリシャには2016年に初めて訪問したが、その時もまた、EU移民政策における重要な転換点があった。それが今日の協定の礎を築いたのである。2016年3月に調印されたEU・トルコ合意は、安全を求めてエーゲ海を渡ることを犯罪化し、EUがトルコに数十億ユーロと国境警備プログラムを注ぎ込むきっかけとなった。その1か月前には、EUが北マケドニアにギリシャとの国境封鎖を強制し、35,000人以上の人々を国境の外に留めた。
これらの政策は、特定の人々の移動を管理するという、EUの長年の差別的計画の重要な節目を表していた。その計画自体、大陸の植民地時代の歴史に根ざしている。これにより、欧州の移民政策の要となる刑罰的アプローチが確立され、ギリシャの島々に閉じ込められた庇護希望者を収容する事実上の刑務所施設が設置された。また、移民や人種化された人々は人権を享受する価値が低いという考えを正常化するのにも一役買った。
実際、ギリシャはブリュッセルのお墨付きを得て、この数年、難民申請手続きのデジタル化、国境監視システムを試験するための所謂「研究プログラム」の展開、そしてハイテク収容施設の建設に多額の投資を行ってきた。ギリシャ滞在中、私はその一部を目にした。
この訪問を通じて、難民申請手続きのデジタル化がもたらす破壊的な影響について、主に2つの点が明らかになった:
1. 「イノベーション」の名の下に踏みにじられる人権
世界中で、デジタル「イノベーション」は公共サービスへのアクセス改善の切り札として喧伝されている。しかし実際には、排除のための有害なツールとして機能していることが多い。ギリシャの難民申請手続きのデジタル化も、まさにこの型通りだった。
2023年の数か月間、難民局のデータベースAlkyoniの一時的な停止により、庇護希望者は難民申請を登録できず、拘束や強制送還のリスクにさらされた。移民の権利団体は、政府の対応の遅さだけでなく、難民申請手続きのデジタル化全体の不透明性についても強く批判した。
一方、2024年4月には、移民収容施設に監視システムを設置するにあたり(前述のCentaurとHyperionプロジェクトの下で)、複数のデータ保護規則に違反したとして、ギリシャのデータ保護当局が移民省に罰金を科した。
庇護希望者が劣悪で非人道的な環境下で生活を強いられているにもかかわらず、公的リソースが不適切で機能不全のデジタルプログラムに浪費されている。移民の人権よりも、イノベーションの「必要性」が優先されているのだ。
2. 難民申請手続きのデジタル化が生み出す新たな排除
難民申請は一見中立的な行政手続きのように見えるかもしれない。だが、実際には暴力的で人種差別的なプロセスだ。保護に値する人々とそうでない人々を選別するプロセスなのだから。
既存の難民規則はすでに「安全」とされる国々からの人々を差別している。新たな移民・難民協定で想定される難民申請プロセスのデジタル化は、このバイアスをさらに深刻にするだろう。庇護希望者は、難民システムへのアクセスに「値するか」を計算するために、セキュリティデータベースやリスク指標について自動的にスクリーニングされることになる。これは移民に対する疑念の自動化に拍車をかけるもので、人々のかけがえのない、深く傷ついた個人的な物語が、単なるデータポイントに還元される。
テッサロニキ最終日、ボランティアが運営するWave Communityセンターを訪れた。ここでは、ホームレスや非正規滞在者など、市の福祉システムから排除された人々にシャワーや温かい食事などの基本的なサービスを提供している。難民申請を却下され、あらゆる形の国家支援から締め出された多くの人々と出会った。新たな難民規則が完全に実施されれば、EUがより多くの人々を国境の周縁に追いやろうとする中で、さらに多くの人々が不可視化されるだろう。そう思い至った時、背筋が凍る思いがした。
// 欧州の政策立案者が知るべきこと、すべきこと
自動意思決定システムと監視技術の使用が、移民や人種化された人々に対する構造的抑圧、差別、排除を永続化させていること。そしてEUの移民・難民協定がこの状況をさらに悪化させるだけであること。これらを踏まえると、EU政策立案者は以下の行動を取ることが極めて重要だ:
- 難民申請手続きにおける、自動プロファイリングシステム、感情認識、バイオメトリクスによる分類など、本質的に有害なAIシステムの使用を禁止する。
- EU移民政策の軸足を移し、移民や人種化された人々の安全、保護、正義の原則を中心に据える。
- 難民、庇護希望者、非正規移民を支援する人権団体の活動を犯罪化する動きに歯止めをかける。
PART 2: 研究が暴力を正当化するとき
2024年5月、Access Nowのカテリーナ・ロデッリはギリシャを横断した。彼女は移民支援や人権侵害の監視に携わる現地NGOと面会し、欧州の国境で監視技術がどのように、そしてどこで使われているかを自らの目で確かめた。彼女の3部構成のブログシリーズの第2回では、EU資金による国境監視の研究プロジェクトが、過酷な移民政策をどのように正当化しているかを解説する。
ギリシャの沿岸都市アレクサンドルーポリから最北端の都市オレスティアダへ。E85高速道路を北上していくと、絹織物の町として知られるスーフリを過ぎたあたりで灰色の壁が姿を現した。さらに北に進むにつれ、壁は存在感を増し、その鋭い輪郭と監視塔が道路沿いに広がっていた。
この壁は、トルコとギリシャの200キロメートルにわたる自然の国境、エヴロス川に沿って走っている。米国とメキシコの国境に触発されたギリシャ政府が、安全を求める移民を締め出す「解決策」として建設を命じたのが始まりだ。2011年に鉄条網のフェンスとして建設されて以来、エヴロス地域には次々と壁が築かれてきた。これらの壁は、「国境での暴力の定着と長期化」を物語る象徴だ。プッシュバック、つまり正規の手続きを経ずに人々を国境の外へ追い返す非公式かつ違法な行為は、2000年代初頭から欧州の多くの国境で日常的に行われており、エヴロスでは1980年代後半から記録が残っている。
人権団体、ジャーナリスト、研究者らは、このギリシャの地域で起きている様々な虐待の実態を明らかにしてきた。 人々を家に閉じ込めて屈辱的で暴力的な扱いをする事例、移民を強制送還して命を奪う事態(4歳児が溺死したとされる事例も報告されている)、さらには性的暴行の事例まで。
それどころか、移民とその擁護者たちの双方が中傷キャンペーンの標的にもなってきた。2023年に3002平方マイル以上の土地を焼き尽くした山火事の原因を移民のせいにする動きさえあった。
一方で同じ地域において、EUは長年にわたり国境監視に関する複数の研究プロジェクトを支援してきた。すでに終了したHorizon 2020と現在進行中のHorizon Europeという枠組みの下、EUは最先端の統合型国境監視技術をテストするプログラムに資金を投じてきた。これらの技術には、赤外線カメラ、無線周波数分析システム、ドローンを含む移動式無人車両(自律型の陸上/海上車両)、追跡センサーを搭載した電柱などが含まれる。
研究者のレナ・カラマニドゥは、Border Violence Monitoring Network(BVMN)の国境監視技術に関する取り組みの一環として、特にエヴロス川のデルタ地帯におけるこれらの研究プロジェクトの展開を追跡してきた。その結果、Horizon 2020のプロジェクトであるNestorとAndromedaがこの地域でテストされ、研究の枠を超えて地元の警察当局による実際の国境管理活動に使用されていたことを突き止めた。国境監視の改善を掲げるこれらのプロジェクトは、公的機関、民間企業、研究機関からなる欧州横断的なコンソーシアムによって実施された。Nestorは「海と陸の国境を超えた前線の状況把握を可能にする次世代の包括的な国境監視システム」のテストに重点を置き、Andromedaは国境管理に携わる当局間の情報共有を改善するソリューションをテストしていた。
移民に対する暴力がほぼ日常茶飯事となっているエヴロス地域で、これらの研究プロジェクトが展開されていることは、2つの重要な疑問を投げかける。
1. EUが語る「安全」とは、いったい誰のための安全なのか?
国境監視技術の使用は、しばしば安全性を口実に正当化される。しかし、実際には地中海での強制送還を助長したり、外部国境での強制失踪を実行したりするために使われてきた事例が数多く存在する。エヴロス川が極度に監視され、暴力が横行する地域であることを考えると、この「安全」へのアプローチに移民の安全は含まれておらず、すべての人々の人権を尊重する保証もないことは明らかだ。
2. 国境での暴力を正当化する上で、研究はどのような役割を果たしているのか?
偏向した研究や疑似科学が人種差別を正当化するために利用されてきた歴史的事実を踏まえると、国境監視に関するEUの公的研究資金が、その暴力的な移民政策に科学的客観性のお墨付きを与えかねないリスクは看過できない。EU全域でテストされているこれらのプログラムは、移民や特定の人種の人々が欧州にとって本質的な脅威だという問題のある前提に疑問を投げかけることなく、もっぱらシステムの精度を実証することに腐心している。
// 欧州の政策立案者が知るべきこと、すべきこと
監視は必ずしも安全を意味しない。監視技術が安全保障の名の下に展開される一方で、移民に対する暴力は日々続いている。さらに、この技術をテストし展開するEU資金による多くの研究プロジェクトは、法的枠組みの外で行われており、説明責任がますます希薄になっている。EU政策立案者は以下の行動を取るべきだ。
- 国境監視テストプログラムへのEU公的研究資金の投入を直ちに停止すること。
- 研究プロジェクトでテストされた技術が現場で使用される際の透明性を徹底すること。
- 欧州の国境における移民への非人道的な扱いや人権侵害を即刻停止し、二度と繰り返さないことを誓約すること。
PART 3: 移民収容施設が大量監視の青写真になるとき
2024年5月、Access Nowのカテリーナ・ロデッリはギリシャを横断した。彼女は移民支援や人権侵害の監視に携わる現地NGOと面会し、欧州の国境で監視技術がどのように、そしてどこで使われているかを自らの目で確かめた。彼女の3部構成のブログシリーズの最終回となる今回は、ギリシャのサモス島にある新しい移民収容施設が、EU全域での大量監視の青写真となりつつある実態を解説する。
トルコの海岸からわずか数キロの距離にあるサモス島。この美しいギリシャの島は、矛盾に満ちた場所だ。興奮気味の観光客グループと一緒に到着した私は、レンタカーで島の中心地バシーにあるホテルへ向かった。数分も走らないうちに、軍用車両が目に入った。滞在中に見かけることになる数多くの軍用車両の第一号だった。
ギリシャとトルコの歴史的な緊張関係により、サモス島を含む東エーゲ海の島々は高度に軍事化されている。しかし同時に、これらの島々では地中海を渡って欧州の安全を求める移民に対する国境での暴力が日常的に繰り広げられている。最近のBBCの調査によると、ギリシャ沿岸警備隊によって意図的に海に投げ込まれ、見殺しにされた移民もいるという。
ギリシャの海岸にたどり着いた移民たちを待ち受けているのは、収容施設だ。サモス島の丘陵地帯に隠れるように建てられた、車かローカルバスでしか行けない場所に、最新の庇護希望者向け収容施設がある。欧州の最新の前線、それが閉鎖管理型アクセスセンター(CCAC)だ。2021年に開設されたサモス島のCCACは、人権団体から「ディストピア的悪夢」や「刑務所のような収容所」と形容されている。ギリシャには5つのこうした施設があり、欧州の納税者から2億5000万ユーロもの巨額の費用を投じて建設された。
これらの施設はEUの移民に対する拘禁的アプローチを体現している。収容を移民対応の主な手段とみなし、EU移民・難民協定の中核に据えているのだ。この協定の下では、常時少なくとも3万人が「国境手続き」の対象となると予想され、おそらく収容や移動の制限を伴うことになるだろう。
サモス島のCCACに近づいたとき、その規模の大きさに圧倒された。数百メートルにわたって広がる施設は、フェンスと有刺鉄線で完全に囲まれ、入り口は回転式改札で管理され、至る所に監視カメラが設置されている。常に監視されているという感覚が漂っていた。
監視技術は、EUの移民政策においてますます中心的な役割を担いつつある。ギリシャのCCACには、すでに様々な技術が導入されているか、近々導入される予定だ。これには、入場時の自動生体認証(被収容者と施設職員の双方に対して)、「不審な」行動を検知する動作分析アルゴリズムを搭載した監視カメラ、施設上空から動きを追跡するドローン、そしてアテネの運用管制室とのデータの自動交換などが含まれる。
ギリシャのデジタルライツ団体Homo Digitalis、ギリシャ人権連盟(HLHR)、HIAS Greece、そしてロンドン大学クイーン・メアリー校の移民と安全保障の准教授ニオヴィ・ヴァヴーラ博士は共同で、これらの監視措置の合法性についてギリシャのデータ保護機関に異議申し立てした。これらの設備はデータ保護の保障措置に違反するだけでなく、基本的権利をさまざまなかたちで侵害していると主張した。2024年4月、ギリシャのデータ保護機関は、これらの監視技術の設置においてデータ保護の権利を侵害したとして移民・難民省に罰金を科した。しかし、これでギリシャがEUの姿勢に沿った移民政策を変更する可能性は低いだろう。
一方、人権団体やジャーナリストは、人間の尊厳を踏みにじる収容状況を把握したり、基本的な医療ケアを提供するため、サモス島のCCACにアクセスしようと試みているが、突き返されることも多い。ジャーナリストのリディア・エマヌイリドゥは昨年、入場を拒否されたという。私自身も、ギリシャ訪問の1ヶ月前から移民省に何度もアクセスを要請したが、到着当日まで返答がなく、結局拒否された。そのため、異議申し立ての時間も機会も失ってしまった。
サモス島を拠点とする複数の団体も、大々的に宣伝されている監視カメラが、施設当局によって暴力や攻撃的行為が行われたとされる瞬間にはなぜか作動していない事実を指摘している。人権団体がそのような事件の前後の映像を要求すると、施設当局や検察は要求に応じないか、その瞬間にはカメラが作動していなかったと主張するのだ。
// 収容施設の技術が転用され、悪用される危険性
私がギリシャに滞在中、パレスチナ支持の学生キャンプに参加していた28人の抗議者が、暴力的行為と騒乱の疑いで逮捕・拘束された。そのうち9人はドイツ、英国、フランス、イタリア、スペイン国籍者だった。ギリシャ人ではない抗議者たちはアミグダレザ移民事前退去収容センターに移送され、10日間にわたって劣悪な環境下に置かれた後、国外退去処分となった。
この事例は、ひとたび監視インフラが構築されると、当初の目的以外にも使用される可能性が高いことを物語っている。技術を駆使した収容施設のような監視措置は、現在社会が脅威とみなす人々に対してのみ使用されるのではない。将来的に脅威とみなされる可能性のある誰に対しても転用される危険性をはらんでいる。今日は移民やパレスチナ支持の抗議者かもしれないが、明日は環境活動家、ジャーナリスト、いずれは政治的反対派かもしれない。
ギリシャでの滞在を終えて帰国の準備をしていたとき、空港のチェックインエリアにEUが後援するポスターが掲げられているのに目が留まった。「旅行はすべての人の権利」と謳うそのポスターには、言うまでもなく白人の姿しか描かれておらず、安全な旅行が特定のグループだけの特権であるという考えを暗に強調していた。国境監視のデジタル化は、人種隔離のもうひとつの形態にほかならず、すでに周縁化された人々をさらに追い詰めるものであることを痛感させられた。
// 欧州の政策立案者が知るべきこと、すべきこと
移民に対する継続的な虐待を防ぎ、彼らに対して使用される監視インフラが他のグループに転用されないようにするため、EU政策立案者は以下の行動を取るべきだ。
- 移民、難民、庇護希望者の拘束と収容を即刻中止すること。
- 移民受け入れセンターでの監視技術の展開を直ちに停止すること。
- 移民関連の文脈で技術を導入する前に、透明性と基本的人権への影響評価を義務づけること。
- EU移民政策の焦点を移民や人種化された人々の安全、保護、正義の原則に立ち返らせること。
EUの移民に対する拘禁的アプローチの要となっている監視技術は、既存のデータ保護や人権の枠組みを無視し、デューデリジェンスのプロセスさえ考慮せずに導入されている。デジタル政策に関するあらゆる議論は、これらの周縁部分に焦点を当てなければならない。それは最大の危害が発生している場所だからだけでなく、そこで起こることが私たち全員にとって公正なデジタルの未来を実現できるかどうかを左右するからだ。
このブログに関する問い合わせは、caterina@accessnow.orgまで。あなたやあなたの組織がデジタルセキュリティのサポートを必要とする場合は、help@accessnow.orgまでお問い合わせください。
謝辞
本ブログシリーズは多くの方々の協力なしには実現しなかった。Access Nowとの面会の時間を割いてくれたこと、そしてギリシャにおける移民と難民の権利のために日々尽力していることに対し、以下の団体に心から感謝する:Border Violence Monitoring Network(BVMN)、国境なき医師団、ギリシャ難民評議会、ギリシャ移民フォーラム、ギリシャ難民フォーラム、Homo Digitalis、Human Rights Legal Project、I Have Rights、Mobile Info Team、Samos Volunteers、Wave Thessaloniki。また、このブログシリーズの内容を綿密に確認してくれたHomo Digitalisと、BVMNの研究・調査コーディネーターであるレナ・カラマニドゥ氏に特別な感謝の意を表する。なお、このブログの内容についてはAccess Nowが全面的かつ単独で責任を負うものである。
このシリーズはミーヴ・マグワイアの制作・編集によるものである。
Surveilling Europe’s edges: detention centres as a blueprint for mass surveillance – Access Now
Author: Caterina Rodelli / Access Now (CC BY 4.0)
Publication Date: 18 September 2024 / 25 September 2024 / 2 October 2024
Translation: heatwave_p2p