以下の文章は、電子フロンティア財団の「Comparison Shopping Is Not a (Computer) Crime」という記事を翻訳したものである。

Electronic Frontier Foundation

購入の選択肢が複数ある限り、人々はそれらを比較し、より良い買い物を探し求める。それはオンラインショッピングでも変わらない。むしろインターネットの潜在的なメリットの1つは、レンタカーから航空券、食器用洗剤に至るまで、あらゆるものの選択肢を広げてくれる点にある。新たなAIツールはそのプロセスをさらに容易にする可能性を秘めている。多くの人が手の届かない高騰する物価に直面するなか、こうしたツールは消費者にとって歓迎すべき救済となりうる。

ところが、Amazonはこうした便利な新ツール――ユーザを競合他社へと導く可能性のあるツール――を潰そうとしている。FacebookRyanAirと同じ手口で、コンピュータ犯罪法を利用しようとしているのである。

Amazonが標的にしているのはPerplexityだ。同社はAI搭載のウェブブラウザCometを開発しており、ユーザは通常どおりウェブを閲覧できるだけでなく、特定の操作をブラウザに代行させることもできる。たとえば、トイレットペーパー24個入りの最安値を探すようCometに指示し、結果に満足すれば、そのまま注文まで任せられる。AmazonはPerplexityがコンピュータ詐欺・乱用防止法(CFAA)に違反したと主張している。ユーザがAmazon上の情報にアクセスし、サイトとやり取りするのを助けるツールを構築したことが違反に当たるというのだ。

残念ながら、連邦地方裁判所はこれに同意してしまった。この判決の根本的な誤りは、第9巡回区控訴裁判所のはるかに優れた適切な判例であるhiQ Labsの判決ではなく、同裁判所の誤った判例であるFacebook対Power Venturesに依拠した点にある。

Perplexityは第9巡回区控訴裁判所に控訴した。EFFが支持側として提出した法廷助言書で述べたとおり、地裁の誤りがそのまま支持されれば、数多くの意図せぬ結果を招きかねない。CFAAの過度の拡大解釈は、これまでも研究、セキュリティ、競争、イノベーションを損なってきた。EFFは長年にわたり、CFAAの適用範囲を議会の本来の意図――コンピュータのセキュリティを迂回する本当のハッキング――に限定するよう取り組んできた。Amazonの今回の主張にCFAAが適用されるべきではないのは、とりわけAmazonのウェブサイトの大部分が一般に公開されていることからも明らかである。

裁判所のアプローチは、ジャーナリストや学術研究者にとって特に危険なものとなる。研究者はさまざまなテスト用アカウントを作成することが多い。たとえば、あるサービスが住宅情報をどのように表示するかを調査する場合、人種、性別、言語設定の異なるアカウントを別々に作成することがある。こうした手法は企業にとって敵対的なものかもしれないが、違法であってはならない。しかし今回の判決に従えば、企業がこうした研究に異議を唱える場合、研究者のサイト利用を禁止するだけでは済まない。研究者に対して「このような方法でサービスを利用する権限はない」と通知する書面を送りつけるだけで、その研究を犯罪行為に変えることができてしまう。

本件でCFAAを広く解釈すれば、競争も阻害される。企業がデータスクレイピングを制限できるようになり、ウェブサイトが価格や機能を比較するツールを提供する手段の1つが事実上断たれてしまうからだ。

第9巡回区控訴裁判所はVan Buren判決の先例に倣い、議会が意図したとおりCFAAを狭く解釈すべきである。ウェブサイト運営者に、独立した説明責任の追及を妨げる新たな盾は必要ない。

Comparison Shopping Is Not a (Computer) Crime | Electronic Frontier Foundation

Author: Corynne McSherry and Tori Noble / EFF (CC BY 3.0 US)
Publication Date: April 9, 2026
Translation: heatwave_p2p
Material of Header image: Tingey Injury Law Firm