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DRMフリーのゲームやビデオのデジタル配信プラットフォーム「GOG」が、埋め込みDRMのないコンテンツを促進するための新たなイニシアチブに着手した。デジタル著作権管理(DRM)は、多くの企業が著作権侵害を防止するために必要だと考えているが、GOGはこうした制限が反消費者的であり、コンテンツの所有に伴って存在すべきはずの自由に反するものだと考えている。

この数十年、ビデオゲーム開発者やパブリッシャは違法コピーや違法配信を防止するために、あらゆる手段を講じてきた。

もしゲームが簡単にコピーできてしまえば、タダでばらまかれ、製品のセールスに悪影響が及ぶと考えているためだ。

その結果、Denuvoなど企業の顧客は、海賊ユーザからゲームを守るためのシステムに多額の費用を投じている。そして、Denuvoはシステムを回避しようとする輩には厳しい姿勢で臨んでいる。

こうした海賊版対策システムは、ゲームメーカーから好まれているが、消費者からは常に不満の的になっている。こうした海賊版対策システムで守られたゲームにはさまざまな制限がかけられ、ゲームを簡単にバックアップすることはできないし、開発者がゲームの終了を決定すれば、それ以降プレイできなくなることすらある。

ゲーム市場のこうしたトレンドを嫌う人たちは、DRMフリーのゲーム、ビデオのデジタル配信プラットフォーム「GOG」に集っている。ポーランドのCD Projektが立ち上げたGOGは、8年以上に渡ってDRMフリーのゲームを提供してきた。この戦略はゲーマーから強い支持を受け、その結果、GOGはコンテンツの「自由」を象徴する存在となっている。

この名声を高める新たな動きとして、GOGとその運営会社のCD Projektは、FCKDRMという目を引く名前のポータルを新たに立ち上げた。このプラットフォームは、GOGやDRMフリーの意義を共有する音楽、書籍、ビデオなどを提供する企業を後押しすることを目指している。

「ゲームにおけるDRMフリーアプローチは、当初からGOG.COMの中心にありました。私たちは、あなたが購入したゲームはあなたのものでなければならないと強く信じています。他人にとって都合のいいようにではなく、あなたにとって便利な方法で遊べなくてはならないのです」とGOGは声明で述べている。

「2008年以降、環境は一変しました。今日、ほとんどの人はDRMが何を意味しているのかを理解してはいません。ゲームのDRMの問題は依然として残っています。いつ、どうしてブロックされるのかを確かめることもできません。そうした影響を受けているのは、ゲームだけではなく、あなたが大好きな本や音楽、映画、アプリも同様なのです」

FCKDRMポータルを通じて、GOGは人々を教育し、DRMについて議論することを望んでいる。消費者のDRMの意味、購入したコンテンツへの影響、DRMフリーがもたらす利点についての理解を深める手助けをしたいのだという。

DRMフリーの利点

DRMの悪影響に関する議論は年々激しさを増しているが、消費者の多くは制限範囲内での利用に慣れきっている。ほとんどのゲームはDRMで保護されているが、オンラインベンダーから購入した音楽やビデオ、書籍にも施されている。そうしたコンテンツは企業のコントロール下にあり、ある日突然利用できなくなることもありうるのだ。

「DRMが施されたゲームは、あなたにプレイさせてよいかどうかを決定するためのソフトウェアやコードが含まれています。昨今のDRMはオンラインサーバーにユーザの情報を送信したり、ファイルをいじってはいないかを確認したり、ログインしない状態でのアクセスを拒否したりしています。言い換えれば、DRMはあらゆる段階において、あなたがしていることを見張るためにそこにあるのです」とGOGは記している。

DRMなかには消費者にとってそれほど気にならないものもあるが、特にゲームの場合、ダークサイドを伴っている。企業はいついかなる時であってもゲームへのアクセスを禁止することができ、一方でゲーマーはそれに抗うことはできない。

「あなたのゲームにはキルスイッチが組み込まれています。確かに、そのDRMはいまはあなたに影響を与えていないかも知れませんが、その鍵は企業が手にしているのです。そしてあなたが所有権を繰り返し証明できる限りにおいて、あるいはDRMが問題なく動作している限りにおいて、あるいはその企業が存在し続ける限りにおいてのみ、ゲームへのアクセスが認められるのです」

「証明の負担をあなたが負うべきなのでしょうか? あなたを信用していない人を、あなたは信頼するのですか?」

FCKDRMの掲載されているリストを見る限り、DRMフリーのリソースはまだまだ限られている。音楽ではBandcamp、7Digital、emusic、書籍ではProject GutenbergとOpenLibra、ビデオではMoving Image ArchiveとVimeo on Demandだけだ。しかしGOGは、このディレクトリの拡大を熱望しており、該当する企業からの連絡を呼びかけている。

FCKDRMイニシアチブはこちらから

GOG Launches FCKDRM to Promote DRM-Free Art and Media – TorrentFreak

Author: Andy / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: August 22, 2018
Translation: heatwave_p2p