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問題を抱えていたライブTVストリーミングサービス「TVCatchup」が完全に機能を停止した。おそらく永遠に終了することになるだろう。2017年に欧州司法裁判所の裁定が下された後もプラットフォームは存在を続けたが、現在、この機能停止に関する発表も手がかりもなく、失踪したままになっている。

2007年、英国で画期的なオンラインサービスが登場した。当初は個人向けDVRサービスとして宣伝されたTVCatchupは、すぐさま人気を博した。

しかしその後、TVCatchupは(多少の遅延はあったものの)ほぼライブストリーミングサービスとなり、BBCやITV、その他放送局など数多くのチャンネルを公衆に提供していた。

だが、この人気サービスがトラブルと無縁であるはずもなかった。放送局との法廷闘争は、英国・EUを股にかけ、7年以上にわたって続いた。そして2017年の欧州司法裁判所(ECJ)の裁定によって、TVCatchupはかなりの劣勢に立たされることになった。

TVCatchup側はITVやChannel 4、Channel 5で放送されたTV番組を適法にストリーミング配信していると主張していたが、ECJは数十年前のケーブルインフラ開発を支援するための法律を適用できないとの判断を示した。

つまり、TVCatchupが著作権で保護されたコンテンツを無断でストリーミング配信したとすれば、公衆への無許諾のコミュニケーションということになる。しかし、2016年10月に英企業登記局に提出された書類で、すでに前年にTVCatchup Limitedが解散していたことが明らかとなった

これにより、同サービスは間もなく閉鎖されるものと見られていたが、TVCatchupは同社のウェブサイトやGoogle Play、AppleのApp Storeを通じてアプリを提供し続けた。しかし最近、担当者からのアナウンスもなく、サービスは閉鎖同然の状況に陥ってしまったようだ。


現在、TVCatchupのウェブサイトにアクセスすると、「Whoops, looks like something went wrong」というメッセージが表示される。URLの末尾に「8080」を追加すると現在もアクセス可能なのだが、どのリンクをクリックしても、チャンネルを視聴することはできない。iOS、Androidアプリでも同様の現象が発生している。


Androidアプリ(こちら)は、Spaceshifting LLC.という企業が公開しているのだが、この企業も2018年2月に解散している。また、App Store版(こちら)は2017年1月に設立された英国企業のToyon Investments Ltdが公開している。

2018年12月、Toyon Investmentsは「特段の理由が示されない限り」、2006年会社法に基づき企業登録が抹消されると通告された。そして2019年2月26日、Toyon Investmentsは解散した。

TVCatchupがTwitterを最後に更新したのは2019年3月5日で、それ以降はビジネスと関係のないツイートを1つ投稿したのみである。

SimilarWebのトラフィック統計を見ると、2019年3月末までに、TVCatchup.comへのアクセスは毎日200万件にものぼっていた。現在の状況を考えれば、そのような盛況が続くとは思いがたい。だが、TVCatchupが消滅したことで英国のユーザが酷い渇望状態に置かれるとも考えにくい。

TVCatchupの空白は、BBC iPlayer、ITV Hub、TVPlayerをはじめとする合法的なストリーミングアプリやサービスによって代替可能である。TVCatchupが登場し、人気を獲得した10年前とは、状況は全く異なっていることは確かだ。

TVCatchup Goes Down and is Probably Gone For Good – TorrentFreak

Author: Ernesto / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: April 29, 2019
Translation: heatwave_p2p
Material of Header Image: Wikipedia