中国当局、361の海賊版映画サイト・57のアプリを閉鎖し251人を逮捕

TorrentFreak

中華人民共和国公安部は、海賊版映画に関与していたグループに対する大規模摘発の詳細を発表した。報告書によると、当局は361の海賊版サイト、57のアプリを「壊滅」し、251名の容疑者を逮捕したという。公安部は「中国の映画・テレビ産業の競争力を向上させるために必要不可欠な取り組みである」としている。中国が海賊版の問題を抱えていることはよく知られている。同国は偽造メディアで溢れているが、近年、当局はこの問題を改善すべく新たな取り組みを進めていた。

これには、トレントサイトやストリーミングポータル、侵害を目的としたアプリなど、海賊版映画を配信したり、海賊版へのアクセスを容易にするプラットフォームへの取り締まりも含まれる。

中国公安部（MPS）は月曜に開かれた記者会見で、2月の春節に、当局が海賊版映画に関連して大規模摘発を実施したことを明らかにした。

その数字は実に印象的だ。公安部によると、警察は25件の捜査の過程で、 361の海賊版映画サイト、57のアプリを閉鎖し、計251名の容疑者を逮捕したという。

Press conference (credit: NCAC.gov)

米国は中国に対し国際的なコンテンツを保護するためのより一層の取り組みを求めているが、記者会見では、「流浪地球（The Wandering Earth）」（初週5億5700万ドルの興行収入）、「飛馳人生」（Flying Life）、「瘋狂的外星人（Crazy Alien）」（13日間で2億9200万ドル）などの国産大ヒット映画の封切り後に、その海賊版が大規模に拡散したと説明。これを問題視した中国当局は即座に行動を起こしたようだ。

「この問題を受け、地方治安当局は迅速に展開し、春節期間に映画の著作権侵害・海賊行為に関する調査プロジェクトを実施。HD海賊版映画の製造元とその配信ネットワークを即座に特定し、徹底的に壊滅した」と会見では述べられた。

ある地域では59名の容疑者が逮捕され、再生・暗号化ハードウェアやサーバーなど13,600点以上の機器が押収された。

海賊版映画最大の供給源とみられる『Twist Film』アプリも「壊滅」したという。同アプリは1億超の利用者を抱え、15万本以上の映画が提供されていた。容疑者は中国国内や「海外」で逮捕されたという。

公安部は、人気アプリの『Fantasy』や『Film and TV Alliance』をはじめとする「海賊版ウェブサイトやアプリを一網打尽にするため」に北京を始めとする複数の地域に地方当局を配置したという。

摘発されたサイトには、17万のメンバーを抱えるプラットフォーム『BTBus』、『Qiu Xia』、1日に370万アクセスを集める『Movie Paradise』などが含まれているが、これも全体から見ればごく一部に過ぎない。

「流浪地球」のプロデューサーであるGong Geer氏は、国家版権局へのコメントの中で、2月5日に公開された同作品が2月7日にはHDの海賊版がインターネットに出回っていたと述べている。これは直ちに政府に報告され、春節の第1週に実施されたその対応は「海賊との戦い」だったと同氏は表現している。

「私たちはクリエイターとして、関連当局が法律や政策で私たちを支えてくれると信じている。私たちにできることは、誠実に作品を作り続けることだけです」と彼は言う。

「どれほど海賊版がでまわろうと、私たちは最高の作品だけが観客を引きつけると信じています。そうした作品を作り続けることができれば、観客は必ず映画館に足を運んでくれるはずです。これは映画製作者と観客との相互の信頼なのです。観客がそのための機会をくれると信じています」

本日より、中国と米国との貿易“戦争”交渉の新たなラウンドが北京で始まる。特に、中国の知的財産問題への対応が注目されている。

米国著作権局は今年３月、米映画『グリーン・ルーム』と『キャプテン・マーベル』を特別保護の対象となる作品リストに追加した。オンライン・コンテンツ・プロバイダにはホスティングしないように、オンライン・ストレージ・プロバイダにはアップロードを防止するよう求めた。米国は要求をさらに高めていくことだろう。

先週、我々が伝えたように、『アベンジャーズ：エンドゲーム』は中国の映画館で盗撮され、米国での封切り２日前にインターネット上に出回った。高品質のHD版コピーではないとはいえ、大ヒットが約束された作品の違法な拡散が見過ごされることはないだろう。

China Shuts 361 Movie Piracy Sites, 57 Apps, and Arrests 251 Suspects – TorrentFreak