以下の文章は、TorrentFreakの記事「Ukraine Cyberpolice Reveal Results of ‘Operation Pirates’」を翻訳したものである。
数週間前、ウクライナ政府はオンライン海賊版取り締まりの新たなキャンペーンの開始を発表した。同国サイバー警察ユニットによると、すでに30の「海賊版リソース」が閉鎖され、19件の刑事訴訟が進められているという。また「映画盗撮」やテレビの海賊版ライブストリーミングについても進展が報告されている。USTR(米国通商代表部)の「優先監視国」リストの常連であるウクライナは、知財保護が不十分であるとして海賊版対策を実施するよう強い圧力にさらされている。
そのため、ウクライナのサイバー警察ユニットは2018年半ばから、期待に沿うべく行動してきた。
昨年6月、ウクライナ警察は50万のユーザを抱えるストリーミングサイト「Olainfilm」を閉鎖した。そして2019年2月には、同サイトのオペレータが運営していたとみられる数十のサイトを閉鎖に追い込んだと発表した。
こうした取り組みを踏まえ、ウクライナ政府は数週間前、あらゆる形態の海賊行為の取り締まりを目指す海賊版対策イニシアチブ「オペレーション・パイレーツ」の開始を発表した。現在、この作戦は完了し、ビデオコンテンツを悪用した海賊版対策はひとまず終了したようだ。
同国サイバー警察ユニットによると、この作戦により、「30以上のオンライン海賊版映画」、つまり海賊版ストリーミングサイトが閉鎖に追い込まれたという。さらに、計19件の著作権侵害容疑での刑事訴訟が進められているという。
警察は、閉鎖に追い込まれたサイトの全リストを明かしてはいないが、先月の報道では4つのサイト(うち3つは比較的トラフィックが多いサイトだった)が挙げられている。これらのサイトは2人の兄弟が運営しており、そのうち1人は税金や関税を扱う政府職員であった。
警察が閉鎖した30のサイトのうち、13のサイトがウクライナ西部最大の都市リビフに住む男性が運営していた。その動機は、プラットフォームから得られる広告収入であったという。
海賊行為の中でもいわゆる「映画盗撮」への懸念が強いことを考えれば、ウクライナ警察が初めて「映画盗撮犯」を逮捕したことにハリウッドは歓喜していることだろう。
当局によれば、映画のプレミア上映を盗撮し海賊版サイトに流していた「青年」が起訴されたという。この男性はドニプロペトロウシク地方のクリビーリヒ市出身者は、ウクライナ刑法第176条第1部(著作権・隣接権の侵害)に違反した容疑で2年以下の禁固刑が科されることになる。
ウクライナ当局は、映画やテレビ番組の海賊版取り締まりに加えて、数千のテレビ放送の違法ライブストリーミングに関与した者も捜査しているという。ただ、この捜査に関連した摘発については報告されていない。
ウクライナ・サイバー警察チーフのセルゲイ・デメデュークは「作戦の完了は、取り締まりの終わりを意味するものではない」と話す。
「いわゆる海賊を摘発するための措置を引き続き講じていく。権利侵害への対応にあたっては権利者とやり取りする用意があり、利害関係者に協力を求めていく」
数週間前、Starlight Media(ウクライナ最大の放送局グループ)、Media Group Ukraine(同国最大のメディアホールディング企業)、TVチャンネルのStudio1+1、Discovery Networks、IFPI加盟のウクライナ音楽産業協会、そしてウクライナ反海賊版協会が、海賊版対策のための覚書に署名している。
Ukraine Cyberpolice Reveal Results of ‘Operation Pirates’ – TorrentFreak