以下の文章は、TorrentFreakの「Kodi Add-On Developer Arrested On Same Day as Popular Repo Goes Down」という記事を翻訳したものである。
TorrentFreak
英警察が、違法ストリーミングを提供するKodiアドオンを開発・メンテナンスしていたとして、英国北部の男性を逮捕したことを発表した。逮捕当日、人気のアドオン「Supermacy」が突如ダウンした。公式にはこの2つの関連性は結び付けられてはいないが、いくつかの一致点が見られる。
Kodiへの関心は全体的に減少傾向にあるが、それでも数百万の人々がKodiを利用してメディアにアクセスしている。
Kodiにソフトウェアアドオンを追加する多くの人が、映画やTV番組、スポーツ中継をストリーミング視聴しているが、こうしたストリーミングはしばしば著作権を侵害している。そのため、エンターテイメント企業やそのエージェントは、そうしたツールの使用を抑制しようと躍起になっている。
先日、英国北西地域組織犯罪ユニットの「Covert Development and Disruption Team」が突然、こうした活動に関連した検挙を行ったことを発表した。
警察によると、海賊版対策団体「Federation Against Copyright Theft（FACT）」との共同捜査により、チェシャー州ウィンスフォードの40歳の男性を拘束したという。同ユニットによると、この男性は違法なオンラインストリーミングを提供するKodiアドオンの作成・メンテナンスに関与したとして逮捕された。
「犯罪の規模は極めて大きく、英国および世界中の放送事業者および権利者に被害をもたらしていた。住居の捜索、証拠の押収、容疑者への聴取を行ったが、捜査中につき保釈された」と声明では述べられている。
一般的に、警察発表で詳細が明らかにされることはなく、地域と年齢以外の容疑者に関する情報は依然不明だ。FACTからの相談がどのようなものだったのかもわからず、それゆえ逮捕された人物やそのアドオンを特定することはできない。
だが先週金曜、まさにチェシャ―州の男性の逮捕が発表されたその日に、人気の高いアドオンのリポジトリが、警告も説明もなく削除されていたことが確認された。
この人気アドオン「Supremacy」は、映画やTV番組、スポーツ中継まで幅広いコンテンツへのアクセスを提供している。このアドオンは、既存のオンラインソースからコンテンツを「スクレイピング」して、ユーザが選択できるようアドオン内に表示している。
Supremacyは他のリポジトリでも提供されているが、以前はhttps://2Supremacy.ukのSupremacyリポジトリで提供されていた。このドメインは2019年3月25日に取得され、有効期限が2021年3月25日までとなっている。
しかし、ドメインのWHOISをみると、不穏な文言が追記されている。
リポジトリ自体からも、2019年6月13日に起こった変化の兆候が確認できる。
現在、Supremacyのサイトはアクセスできなくなっているが、そのキャッシュを見ると/addonおよび/repoのディレクトリが午前8時1分に変更されており、その日のうちにリポジトリが削除されていたことが確認できる。また、SupremacyのFacebookページとTelegramグループも同様に消滅していた。
TorrentFreakは複数の情報筋にコンタクトを取ったが、いずれもSupremacy開発者の正確な所在地や年齢はわからないという。したがって、上述の摘発とSupremacyとの接点は現時点では不明だ。逮捕されたのではないかとの噂もあるが、人気のプロジェクトがなんの説明もなく消滅するというのもよくある話である。
先週発表された事件に話を戻すと、アドオン開発社が誰であれ、FACTが警察に相談した理由はわかっていない。英国のみならず、世界的にもアドオン開発者に対する刑事訴追は未だ成功していない。とはいえ、複数の開発者が、個人的に圧力をかけられてはいる。
TorrentFreakは英国北西部組織犯罪ユニットとFACTにコメントを求めたが、本稿公表までに回答は得られなかった。
Kodi Add-On Developer Arrested On Same Day as Popular Repo Goes Down – TorrentFreak
