以下の文章は、TorrentFreakの「Stream-Ripping Giant Convert2MP3 Settles With Music Industry and Shuts Down」という記事を翻訳したものである。

TorrentFreak

音楽業界は「ストリームリッパー」と呼ばれるYouTube変換サイトとの戦いに新たな勝利を収めた。Convert2MP3はドイツでの訴訟を受け、音楽業界団体のIFPI、BVMIとの和解に至った。

音楽業界は、ストリームリッピングをトレントサイトやダウンロードサイト以上に悪質な海賊行為とみなしている。

2016年、RIAA、IFPI、BPIは、当時最大のストリームリッピングサイトであったYouTube-MP3を相手取って訴訟を起こした。この訴訟は最終的に和解にいたり、サイトは自主的な閉鎖に合意した

音楽業界はこの勝利を受けて、すぐさま次の標的へと目を向けた。その1つが、音楽業界団体のIFPIとBVMIに訴訟を起こされたConvert2MP3だ。

Convert2MP3は月間数千万のアクセスを誇る最大級のストリームリッピングサイトであった。これまでのところ、ドイツでの法廷闘争はほとんど注目されてこなかったが、その顛末は広く影響を及ぼしうることが本日明らかになった。

音楽業界団体のIFPIは、ドイツ音楽業界団体のBVMIと共に、ストリームリッピングサイトとの和解を至ったと発表した。この和解条件として、サイトの即時閉鎖と、IFPIへのドメイン引き渡しが要求されている。

この和解では、事業者側に金銭的な補償が要求されているが、その額については明かされていない。

ドイツの裁判所は、Convert2MP3.comが所有または作成したソフトウェアを使用して、技術的保護手段を回避したと判断し、Convert2MP3.comに仮差止命令をくだしていた。

Convert2MP3

IFPIのフランシス・ムーア最高責任者はこの和解を歓迎し、他のストリームリッパーが追随するきっかけとなることを期待しているという。

「ストリームリッピングは、音楽エコシステム全体の脅威となっている。Convert2MP3のようなサイトは、アーティストやレコード会社の権利をまったく無視しており、音楽制作者や投資者のお金を奪っている」

「この訴訟によって、他のストリームリッピングサイトに著作権侵害をやめなければ著作権訴訟に直面するという明確なメッセージが伝われば上首尾だ」とムーア氏は語った。

とはいえ、この手のサイトが著作権侵害サイトだということに誰もが同意するわけではない。デジタル著作権団体のEFFは以前、米通商代表部(USTR)への書簡のなかで、適法な使用事例も数多く存在していることを強調していた。

「いかなる音声抽出であれ、著作権における非侵害的フェアユースであるとみなされる。これら合法的な目的にためにオーディオトラックを抽出可能なサービスを提供すること自体は、たとえ一部のユーザが侵害的に利用していたとしても適法である」とEFFは主張する

だが、音楽業界は今後もストリームリッピングとの戦いを継続していくだろう。米国ではFLVTO.bizと2conv.comに対する訴訟が進行しており、デンマークオーストラリアではConvert2MP3をはじめとするストリームリッパーが裁判所命令によってブロッキングされている。

Convert2MP3が閉鎖に合意した以上、後者のブロッキングは意味をなさなくなるだろう。同ドメインには現在、音楽業界団体のメッセージが表示されており、同サイトのFacebook、Twitterのアカウントはいずれも削除されている。

Stream-Ripping Giant Convert2MP3 Settles With Music Industry and Shuts Down – TorrentFreak

Author: Ernesto / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: June 21, 2019
Translation: heatwave_p2p
Material of Header Image: Eric Nopanen