以下の文章は、TorrentFreakの「Bilibili Uses DMCA to Obtain Identities of Source Code Leakers From Github」という記事を翻訳したものである。

TorrentFreak
中国の動画共有サイトBilibiliが、ソースコード、ユーザ名、パスワードをオンラインでリークした人物を特定するため、米国での法的措置を開始した。月間9000万超のユーザを抱え、NASDAQにも上場するBilibiliは、DMCAを利用してGithubにデータを公開した複数人物の身元を開示するよう迫っている。

欧米ではあまり知られていないが、Bilibiliはアニメやマンガ、ゲームに特化した中国のビデオ共有プラットフォームで、NASDAQにも上場している。

同プラットフォームはユーザのビデオアップロードを受けつけており、他のユーザはその動画にコメントや字幕を追加できる。Bilibiliが2月に公表したデータによると、月間利用者は9200万人を超えているという。しかしその直後、同サイトは躓かされることになる。

4月、何者かがBilibiliから抜き出されたソースコード、ユーザ名、パスワードなどを含む大量のデータをGithubにアップロードしたことが報じられた。同社はデータが旧サイトから抜き出されたもので重大な問題ではないとしつつも、ユーザのセキュリティが侵害されないように「保護措置」を講じたことを発表した。

一方、Bilibiliはデータ漏洩の原因を調査することも約束していた。そして現在、同社は米国の著作権法を利用して調査を進めているようだ。

TorrentFreakは、中国の法律事務所が2019年4月23日付でGithubに送付した書類を入手した。それによると、この問題がBilibiliの説明以上に深刻なものであったことが示されている。

「4月22日(GMT-8)、Githubユーザ(ユーザID:『openbilibili』)は、『openbilibili/go-common』という表題で、Bilibiliのソースコードおよびその他の広範かつ詳細な企業秘密/機密情報を含む投稿をGithubウェブサイトに掲載した」と書簡には書かれている。

その直後、少なくともほか1名のGithubユーザが同一情報を投稿し、複数のユーザがそのデータをフォークしたという。Bilibiliの法律事務所は、これら侵害者は民事および刑事の双方で責任を問われる可能性があるとしている。

この書簡では、Githubがすでに著作権侵害コンテンツへのアクセスを一部無効にする措置を講じたことを認めている。だが、Bilibiliの法務チームはそれで満足せず、同社が保有する当該ユーザのIPアドレス、メールアドレス、電話番号、閲覧履歴、アップロード・ダウンロードの記録など「ありとあらゆる個人情報」を開示するよう要求しているようだ。

その後どうなったかは不明だが、GithubはBilibiliの要請が法的な根拠を示さずになされたものと考え、応じなかった可能性が高い。おそらくそれゆえに、Bilibiliは今週、サンフランシスコ連邦地裁に当該Githubユーザの身元を開示するためのDMCA召喚令状(subpoena)を請求したのだろう。

Githubが侵害が疑われる人物の個人情報を開示したかどうかは不明だが、Bilibiliは強硬な姿勢で臨んでいることは明らかだ。最初の文書では、同社は上海警察が「この犯罪容疑を直ちに阻止し、捜査・処罰する」ための報告書を準備しているとも述べられていた。

同社がGithubユーザの身元情報を入手しようとしてDMCAを利用したことは、実に興味深い。同社が実際に米国内での著作権裁判を検討しているのだろうか。あるいは個人情報を簡単容易に入手するための口実としてDMCA召喚令状を利用しただけなのか。

上述の文書はこちらから(1234)。

Bilibili Uses DMCA to Obtain Identities of Source Code Leakers From Github – TorrentFreak

Author: Andy / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: July 02, 2019
Translation: heatwave_p2p
Material of Header Image: Oliver Tacke