以下の文章は、TorrentFreakの「Google Removes Official Kodi Download Page After “Bogus” Copyright Complaint」という記事を翻訳したものである。

TorrentFreak

Googleは著作権者からのクレームを受けて、Kodiの公式ダウンロードページを検索結果から削除した。Kodiを支えるチームは、完全に適法なオープンソースソフトウェアが海賊版サービスと誤って同一視されたことに失望している。Googleに送付された削除通知は、VLCメディアプレーヤーも標的にしていたが、その要求は却下されていた。

現在、数百万のユーザが日々のエンターテイメントのニーズを満たすために、オープンソースソフトウェア「Kodi」メディアプレイヤーを利用している。

Kodi自体は中立なソフトウェアだが、一部のサードパーティ製アドオンを利用すると海賊版コンテンツにアクセス可能になることもあり、Kodiそのものへの風評被害を生み出している。

とはいえ、Kodiの開発チームがコントロールできることではない。幸いなことに、著作権者の多くはそのように認識しているが、時折そのあたりの分別がつかない権利者が現れる。そしてその存在が、Kodiに現実の被害をもたらすこともある。

たとえば今週、Kodiの公式ダウンロードページがGoogle検索結果から排除されていたことが発覚した。詳細を調べてみると、GoogleがDMCA削除要請を受けて同ページを削除していたことがわかった。

この削除通知は数週間前、BeIN Media Group傘下のトルコの有料テレビサービス「Digiturk」が送付したものであった。BeINは海賊版に対する強硬な姿勢で知られているが、このケースでは度を越して攻撃的であった。

「侵害コンテンツは『BEIN SPORTS HD』の商標/ロゴによってブランド化/透かしが施されたスポーツコンテンツ(違法動画ストリーミング)である」とDigiturkは記述している。

通知には多数のURLがリストアップされており、一見するとその多くは無断配信と思しきIPTVサービスのようだ。だが、そのなかに「Kodi.tv/download」、つまりKodiの公式ダウンロードページも含まれていた。

一般論として、Googleはこの手の間違いを発見するのを得意としているが、今回のケースでは、当該の検索結果の下部に記載されているように、そのURLは削除されてしまった。

興味深いことに、標的とされた合法的なオープンソース・プロジェクトはKodiだけではない。この通知には、人気のメディアプレイヤー「VLC」のホームであるVideolan.orgのURLが2つも記載されていた。つまり、ここでもソフトウェアのダウンロードページがリストされていたことになる。

だが幸運なことに、VLCのページを削除するよう求める要請については、Googleが間違いに気づいたため、現在もGoogle検索結果に当該のページが表示されている。

Kodiのキース・ヘリントンは、彼らのソフトウェアが再び海賊の汚名を着せられたことに失望をあらわにしている。

「不幸なことに、コンテンツ企業はKodiやVLCを、(違法に)コンテンツをストリーミングするのみならずロゴなどを不正に使用する明らかな著作権侵害サービスとを混同し、さらにGoogleは確認・検証することなく、ただ削除してしまうのです」

「まったくもって『無罪が証明されるまでは有罪』というモデルに基づくものであり、同意できるものではない」

Kodi FoundationはGoogleに反論通知を提出し、ダウンロードページを検索結果に表示するよう求めている。

TorrentFreakはDigiturkにコンタクトを取り、この異常な要請についてコメントを求めている。同社は意図的にオープンソースプロジェクトを標的にしたのかもしれないが、単なる間違いの可能性もある。

間違いといえば、Digiturkは以前にも自らのウェブサイトの削除を求める通知を送付しており、それも1度ではない。今回のケースもまた、注意を払っていれば避けられたものなのかもしれない。

Google Removes Official Kodi Download Page After “Bogus” Copyright Complaint * TorrentFreak

Author: Ernesto / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: March 21, 2020
Translation: heatwave_p2p
Material of Header Image: Daniel von Appen