監督のJ.J. エイブラムスは、パラマウント・ピクチャーとCBSスタジオが、クラウドファンディングで資金集めをしていたスタートレックのスピンオフ作品『Prelude to Axanar』への訴訟を取り下げる方向で動いていることを明らかにした。現時点で正式に和解が成立したわけではないが、すでに両者の和解交渉は最終段階に入っているという。
今年初め、パラマウント・ピクチャーとCBSスタジオは、スタートレックにインスパイアされたファン映画の製作者に対し、著作権侵害裁判を起こした。
争点となったのは、大人気を博したショートフィルム『Star Trek: Prelude to Axanar』と、製作中の長編映画『Axanar』である。
とりわけ、スタートレックの著作権者たちは、スタートレックに関連した設定、キャラクター、種族、衣服、色、形状、語句、言い回し、さらにはクリンゴン語の所有権を主張した。
法廷闘争はまだほとんど行われていないが、どうやらこの裁判はもうすぐ終結しそうだ。金曜に開催されたスタートレックのファンイベントに出席したJ.J. エイブラムスは、この一件は『Star Trek: Beyond』の監督ジャスティン・リンのおかげでもうじき解決しそうだと明らかにした。
「僕らは話していて、こういうやり方はファンへの対応としてはふさわしくない、という結論に至った。ファンのみんなは喜んでくれると思うけど」とエイブラムスは話す。
「スタートレックのファンはこの世界の一部。だからジャスティンはスタジオに出向いて、裁判を止めるよう彼らに迫ったんだ。だからもうじき、裁判は終わったという発表があると思うよ。あと、ファンは彼らのプロジェクトに関われるんじゃないかな」
このニュースは、『Axanar』の監督アレク・ピーターにも歓迎された。彼は数時間前、Facebookにこのようなメッセージを投稿している。
「パラマウントがAxanarへの訴訟を取り下げようとしているとアナウンスしてくれたJJエイブラムスとジャスティン・リンには、本当に、本当に、感謝してもしきれない」と彼は記している。
しかし、この裁判は完全に終わったわけではない。両者はいまだ和解交渉を進めており、裁判所に正式な書類は提出されていない。
和解ということは、この裁判が却下されるということではなく、両者がお互いに納得のできる合意に達したということを意味する。彼らがこの合意に関する詳細を公表するかどうかは、いまだ不透明だ。
今年初めにパラマウントとCBSが訴訟を起こした際、彼らはAxanarの製作者がスタートレックシリーズを悪用しており、金銭的な補償を求めると訴えていた。
“Paramount Will End Case Against Fan-Funded Star Trek Film – TorrentFreak”
Publication Date: May 22, 2016
Translation: heatwave_p2p
Header Image: Peter Dutton / CC BY-NC-SA 2.0