以下の文章は、Walled Cultureの「V Live, the largest archive of K-pop live streams, will soon be V Dead: what happens to all that culture?」という記事を翻訳したものである。

Walled Culture

文化やその保存について語られるとき、たいていはシェイクスピアやレオナルド・ダ・ヴィンチ、チャーリー・チャップリン、マイルス・デイヴィスなど、誰もが認める芸術界の巨匠の作品ばかりが議論になりがちです。おそらくK-POPと呼ばれる韓国ポップミュージックのライブストリーミングがその俎上に上がることはほとんどないでしょう。とはいえ、K-POPは間違いなく稀有な現代文化の表現ですし、とりわけ強烈な表現だと言う人もいます。ですが、K-POPも著作権の対象であり、そのことが問題を引き起こしています。Mashableの記事にはこうあります。

10月31日月曜、韓国のライブストリーミングアプリ「V Live」は、2022年12月31日に閉鎖することをユーザーに通知した。3月には、競合アプリ「Weverse」を運営するHYBEがV Liveを買収し、アプリ終了の意向を表明していたことから、今回の閉鎖は唐突なものではないが、アーティストやファンにとっては残念な結果となった。V Liveは、K-POPのライブストリーミングコンテンツを集めた史上最大のアーカイブである。アプリが消滅したら、そのコンテンツにアクセスするにはどうすればよいのだろうか。

ネイバーが所有するV Liveは、韓国のアーティストがファンとつながるアプリとして2015年にローンチした。アーティストは主にライブストリーミングでファンと繋がり、オンデマンドビデオとしてアプリに保存していた。K-POPが世界的に爆発的な人気を博す中、V Liveはこれらのエンターテイナーと海外のオーディエンスをつなぎ、彼らが食事をしたり、誕生日を祝ったり、音楽を制作したりする様子をリアルタイムで見ることができたのである。

つまり、V Liveはアーティストが最新テクノロジーを駆使して世界中のファンと密接な関係を構築できる好例だったのです。まさにWalled Cultureが主張してきた、クリエイティビティに資金をもらたらす新しい手法を見出すための重要な要素と言えます。

Mashableの記事によると、一部のアーカイブはWeverseの独自プラットフォームに移管されるそうです。具体的には、V Liveの停止前にWeverseに参加したアーティストが対象になります。また、Weverseは、アーティストがV Liveのアーカイブをダウンロードして、別のプラットフォームにアップロードできるとも言っています。しかし、多くのミュージシャンが、何らかの理由で新しいサイトに移動することができず、彼らのストリームが永遠に消えてしまう可能性があることに変わりありません。

問題は、この領域における権力の集中です。書籍の『Walled Culture』でも述べましたが、これは著作権の世界にいるたくさんの人たちを煩わせている典型的な問題です。しかし、問題を引き起こしているのは著作権そのものです。まともな世界なら、K-POP界の重要な文化財として後世に残すために、関連する文化団体が日常的にVライブのサイト上のストリームをすべてダウンロードできたはずです。しかし、著作権はそのような保存を当然のように著作権侵害とみなし、禁じています。その結果、K-POP文化は、意味もなく、誰も得をすることもないのに、その稀有な瞬間を失うことになるのでしょう。

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V Live, the largest archive of K-pop live streams, will soon be V Dead: what happens to all that culture? – Walled Culture

Author: Glyn Moody / Walled Culture (CC BY 4.0)
Publication Date: November 15, 2022
Translation: heatwave_p2p

カテゴリー: Copyright