ここ数ヶ月、CloudFlareはパイレート・ベイなどのよく知られた海賊版サイトに同社のサービスを提供したとして、繰り返し非難されていた。そうした主張は現在、初の裁判という結果に至った。アダルトエンターテイメント出版社 ALS Scanは、CloudFlareを相手取り、カルフォルニア連邦裁判所に訴訟を起こした。
DDoS攻撃からの保護と使い勝手の良いCDNサービスを提供するCloudFlareは、世界中の数百万のウェブサイトで使用されている。
そのなかには多数の海賊版サイトが含まれており、この米国サンフランシスコを拠点とする企業のサービスによってサーバの負荷を減らしている。
パイレート・ベイはもっとも著名なCloudFlareの顧客であるが、同時に数多の『海賊版サイト』によっても使用されている。
当然のことながら、著作権者はCloudFlareのビジネスを快く思ってはいない。最近では、ハリウッド関連団体のDigital Citizens Allianceが、CloudFlareは海賊版サイトの存続を支援していると非難した。
そのような状況のもと、アダルトエンターテイメント企業のALS ScanがCloudFlareに対する初の訴訟を起こした。ALSは、カリフォルニア連邦裁判所に提出した訴状のなかで、パイラシーが同社ビジネス上の最大の脅威となっていると主張した。
ALSは、インターネット上に著作権侵害が蔓延し、その結果同社の収益は著しく損なわれているという。しかし、問題は「海賊版」サイトだけではないとも主張する。
「ALSが直面している問題は、著作権侵害コンテンツを特徴とするサイト、あるいは『海賊版』サイトが存在感を増していることだけではない。海賊版サイトとの商業的な取引に関与、あるいは支援し、その繁栄を助けるサービス・プロバイダが増加していることだ」(pdf)
ここで批判されているサービス・プロバイダには、ホスティング会社、CDNプロバイダ、広告代理店などが含まれる。 ALSの訴訟では、まずはそのうちの2つ、CloudFlareと広告プロバイダのJuicy Adsが選ばれている。
訴状によると、両社は海賊版サイトが複数回の削除通知を受理しているにも関わらず、その関係を断ち切ることができなかったという。
CloudFlareとJuicy Adsはいずれも、規約の上では、侵害を繰り返した場合にはアカウントを停止するとしている。しかし、ALSによると、両社とも海賊版サイトを顧客として扱い、そこから利益を上げ続けているという。
「法律は侵害を繰り返す者とのビジネスを停止することを両社に義務づけており、また、Juicy AdsおよびCloudFlareは、自らの規約において、侵害を繰り返す者とのビジネスは停止することが謳われているにも関わらず、Juicy AdsもCloudFlareもこれら慢性的かつ直接的な著作権侵害者との取引を停止してはいない」
「原告の得た情報ならびに確信によれば、これはJuicy AdsとCloudFlareが、無料の侵害コンテンツを誘引としてトラフィックを生み出しているサイトとの取引を継続し、利益を得ることを意図しているためである」
訴状では、Imgchili.net、Slimpics.com、Cumonmy.com、Bestofsexpics.com、Stooorage.com、その他ALSの著作権を侵害するコンテンツをホストするCloudFlareの顧客がリストされ、これらのサイトは現在もCloudFlareのサービスを利用している。
Juicy Adsは訴訟を起こされた後、複数の侵害サイトのアカウントを停止したと伝えられているが、それによって以前の行為の責任から逃れられるわけではない。
ALSは、両社には複数の著作権侵害および商標権侵害に責任があるとして、実際の損害および法定損害賠償を請求している。数百の作品が著作権侵害されたとして挙げられており、理論上では、損害賠償額は数十億ドルに及ぶ可能性がある。
いまのところ、CloudFlare、Juicy Adsのいずれも、この訴訟について公式に対応はしていない。
Cloudflare Faces Lawsuit For Assisting Pirate Sites – TorrentFreak
Publication Date: August 23, 2016
Translation: heatwave_p2p