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GoogleはDMCA削除要請に大きな負担を強いられている。著作権者からGoogleに送付される削除通知の数は、この2年間で4倍となった。2016年の1年間だけでも、Googleは10億を超える海賊版へのリンクを処理することになると見られており、その大半がGoogleの検索結果から削除されることになる。

著作権者たちは海賊版サイトへのアクセスを防ぐため、Googleに大量のDMCA削除通知を送りつけている。

2011年以降、Googleはその検索結果から10億以上の「海賊版コンテンツ」へのリンクを削除してきた。その数が20億を記録したのは、わずか数カ月前のことであった。

著作権者から寄せられる削除要請の数は劇的に増加しており、現時点では、毎日300万の「海賊版」リンクを処理している。

この状況を把握するため、Googleが毎週公開している透明性レポートで削除要請の数の推移を調べることにした。その結果、Googleに報告された海賊版URLの数は、2014年6月第1週には510万だったのが、この2年間に週に2200万を超えるほどに増加していることが伺える。

この数字には変動はあるものの、以下のグラフが示すように上昇傾向にある。もしこのペースで増えていけば、Googleは今年1年だけで10億のリンクを処理することになるだろう。

Google検索へのDMCA通知/週
google-dmca-quadruple

押し寄せる大量の削除通知は、米国政府も注目を寄せている。数カ月前、米著作権局は現在のDMCA規程の影響や有効性を評価するため、パブリック・コメントの募集を開始した。

このパブリック・コメントには、著作権団体からDMCAに対する強烈な批判が集まったものの、Google自身は、現行のシステムはうまく機能していると主張する。

「ノーティス・アンド・テイクダウン手続きは、インターネットの著作権侵害対策として効果的かつ効率的な方法である」と今年4月、Googleは著作権局に報告している。

「毎年、検索結果から削除されるURLの数は増加を続けており、このことはノーティス・アンド・テイクダウン手続きが著作権者のニーズに有意義かつ効果的、スケーラブルなものだということを著作権者が考えていることの証左である」

Googleは、1日に数百万のURLが報告されることについて、DMCA削除手続きが適切に機能している現れだと考えているが、著作権者は終わりのないイタチごっこの前兆だと考えているようだ。

100人以上とアーティストと音楽団体の連合は、DMCAを時代遅れで、機能をしておらず、有害ですらあると批判する。

「ノーティス・アンド・テイクダウンのシステムは、海賊版のデジタル音楽が溢れているこの状況ではまったく役に立っておらず、大洋にティースプーン1つで放り出されているようなものである」と彼らは記している。

その他数多の著作権者らとともに、彼らは広範囲に及ぶDMCAの修正を求めている。とりわけ、彼らは一旦削除された侵害コンテンツがふたたび登場しないようにするための高度なテクノロジーとその手続き――いわゆる「ノーティス・アンド・ステイダウン」アプローチを求めている。

そうなるまで、彼らは大量の削除通知を送付し続けるのだろう。

“Google Sees DMCA Notices Quadruple In Two Years – TorrentFreak”

Author: Ernesto / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: June 18, 2016
Translation: heatwave_p2p
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