TorrentFreak

今週登場したばかりのTorrents-Timeが、Popcorn Timeのコンセプトに新たな生命を吹き込んでいる。Torrents-Timeは、対応するトレントサイトと連携して、映画やテレビ番組をWindowsブラウザ内で視聴可能にするプラグインだ。もっとも人気を集めるPopcorn Timeフォークがこのテクノロジーを活用したサイトを立ち上げた。

この数ヶ月、Popcorn Timeムーブメントは、MPAAの訴訟によってPopcornTime.ioチームが解散したことで、そのコンセプトからひっくり返されてしまったことは疑いない。

それ以降、水面下では主導権争いが続いていた。PopcornTimeを復活させ、新たなフォークと開発の手綱を握ろうとさまざまなグループが動いていたが、そのどれもがイノベーションにつながることはなかった。

その一方で、残されたもう一方の人気フォーク――Popcorn-Time.seは、その地位に甘んじることはなかった。Popcorn-Time.seはつまらない足の引っ張り合いとは距離をおき、密かにイノベーションを進めていた。今日は、熱狂のニューウェーブを新たなフォーマットに落としこむ可能性を持ったニュースをお伝えしよう。

ブラウザで動くPopcorn Time

昨年、複数の開発者たちがブラウザ上でPopcorn Time動かすためのサイトをローンチしてきた。しかしそうしたサイトは、Popcorn TimeのエンジンたるBitTorrentアーキテクチャを利用しておらず、単にスウォームから引っこ抜いたコンテンツをHTTPプロトコルで配信するだけのものであった。したがって、数千人規模のユーザが利用すると帯域は即座に枯渇してしまう。その結果、そうしたサイトのほとんどは消え去ってしまった。

既にPopcorn-Time.seのメンバーによって活用されている新たなサードパーティ・システムは、そうした方法ではなく、別のやり方を可能にするためのものである。彼らは未来に向けたビジョンを示すデモサイトを公開した。

popcorntime-online.io_20160210

上の画像からもわかるように、Popcorntime-Online.ioは、これまでに登場してきたブラウザ版Popcorn Timeと瓜二つである。しかし、ユーザへのコンテンツ配信には高価なHTTPではなく、Torrents-Timeと呼ばれる特別なプラグインを使用し、トレント・クライアントの機能をブラウザに持たせている。

Torrents-Time

Torrents-Timeプラグインによって、Popcorntime-Online.ioのウェブサイト上にPopcorn Timeのコンテンツを埋め込むことが可能になった。Popcorn Timeのコンテンツでなくても、ビデオトレントであればサイトに埋め込むことができる。現在のところ、Torrents-TimeプラグインはWindows7以降であればインストール可能で、どのブラウザでも利用できる。

「Torrents Timeプラグインは2つの要素からなります。1つはトレント・クライアント・エンジン。これはLibtorrentのライブラリを使用しています。もう1つはビデオプレイヤー。こちらはわれわれが100%独自に書き上げたもので、FFmpegを利用しています。そのおかげで、既知のビデオ・フォーマットであれば、ほとんど再生できます」とチームはTFに語った。

「通常であれば、トレントをダウンロードする前にBitTorrentクライアントを立ち上げなければなりません。しかし、ブラウザに組み込まれたトレント・クライアントであれば、HTMLページ上にあるトレントのリンクをクリックするだけでコンテンツのダウンロードを開始できます。ブラウザと別に、BitTorrentクライアントを立ち上げる必要がないのです」

それではTorrent−Timesはどうやって他のピアを見つけることができるのか。Torrents-Timeは一般的なトラッカーと接続し、必要があればPEXやDHTも利用する。その他Torrents-Timeの主な特徴については以下の画像を参考にしてほしい。

torrents-time_h

Torrent−Timesは『瞬時に』ストリーミング再生されると謳っているが、われわれがテストしてみた限りでは、再生までに1、2分を要した。しかし、いったんそれが過ぎてしまえば、途切れることなく視聴することができた。また、プレイヤーには複数言語に対応した字幕が基本機能として実装されている。

VPNとキャスト

Torrents-Timesは現在、プライバシー・プロバイダとしてAnonymous VPNと連携している。彼らは、ログを取らないポリシーをもっているという。しかし、Torrents-Timeはその他のサプライヤーにも門戸を開いているという。

「あらゆるVPNプロバイダーからの問い合わせを歓迎しています。匿名性はユーザの『プライバシー』のためのもっとも重要な機能だと考えていますから」と彼らは言う。

キャスト機能についてはバグがあったということで、われわれはテストすることができなかったが、チームによると、数時間のうちにアップデートし、問題を解決するという。

「キャスト・オプションには、Chromecast、Airplay、DLNAの機能が含まれています。これらの機能の実装には、airplay-js、castv2-client、mdns-js、node-captions、node-ssdp、upnp-mediarenderer-client、chromecast-jsなどのオープンソースを利用しています」と説明する。

ブラウザ版トレントへの期待

WebTorrentの登場がきわめて印象的であったように、ブラウザ・ベースのBitTorrentストリーミングは、その開発が高く期待され、リソース食いのHTTP転送のソリューションとして必要とされてきた。そう考えると、Torrents-TimeをエンジンとするPopcorntime-Online.ioのデビューは、きわめて重要なイベントだ。

しかし興味深いことに、2015年後半に登場したPopcornTorrents.comも、同様の機能を提供している。PopcornTorrents.comもブラウザ内にビデオを埋め込んでいるが、こちらはHolaが提供するテクノロジーを使用している。Holaの詳細についてはこちらを参考に。Holaが無料ユーザの帯域を販売していたというニュースを覚えている読者もいるかもしれない。

Torrents-Timeが同様の手法を用いるのかはわからない。しかし、Torrents-Timesは、パブリッシャー向けのページで説明しているように、このサービスを別のかたちで商業事業に拡大することを目指すという。

トレント・ストリーミング・サイトはヒドラとなるか

「トレントの驚愕の力を身につけることで、あなたのウェブサイトを簡単かつ瞬時にストリーミングサイトに変えることができます! そうすれば、新たなユーザ層にリーチし、滞在時間やインタラクションを激増させることができるでしょう」と同社は説明する。

「私たちは、これまで革命の起こらなかった領域――ダウンロード、ストリーミング、トレント・ウェブサイトへのトラフィックからのマネタイズに革命を起こします! Torrents Timeによって、ユーザとの深く価値ある関係を維持しながら、PPI会社や広告ネットワークと組むよりもより多くの収益を生み出すことができます」

Torrents-Timeがその謳い文句通りに人気を集めたとしたら、そのテクノロジーを利用した簡単に設定できるウェブサイトの巨大なうねりが瞬く間に立ちあらわれるだろう。そうなれば、そのすべてを消し去ることは不可能になる。ポップコーンが弾け跳ぼうとしている。

PopcornTime-Onlineはこちらから(Github)、Torrents-Timeはこちらから(Github)。

“Torrents-Time Brings Popcorn Time to Any Windows Browser – TorrentFreak”

Author: Andy / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: February 2, 2016
Translatior: heatwave_p2p

1件のコメント

BitTorrentはダウンロード保存からストリーミングの時代に? – P2Pとかその辺のお話R · 2016/2/19 23:49

[…] 先日の記事でもお伝えしたように、Torrents-Timeは、ウェブページに埋め込まれたトレントを視聴できるWindows/Mac用のブラウザ・プラグインだ。 […]

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