TorrentFreak

プライバシーを核とした検索エンジン「DuckDuckGo」は、bangデータベースの大掃除を行なった。その過程で、潜在的な責任問題を回避するため、「海賊版サイト」の検索ショートカットを複数削除した。削除されたbangには、人気のトレントサイト「パイレート・ベイ」や「1337x」のほか、「Sci-hub」や「OpenSubtitles」なども含まれている。

ちょうど10年前にローンチした検索エンジン「DuckDuckGo」は、プライバシーを重視するインターネットユーザにとって頼もしいツールだ。

多くの競合とは異なり、DuckDuckGoはユーザのIPアドレスをはじめとするセンシティブな情報を記録することはない。

この検索エンジンには、インスタント・アンサー機能や、Bangコマンドなどさまざまな便利機能がある。後者は、DuckDuckGoを使って他のサイトを直接検索したいユーザには特に有用である。

たとえば「!yt keyword」を入力すればYouTubeを、「!w keyword」と入力すればWikipediaを直接検索することができる。さらに「!torrentfreak keyword」であればTorrentFreakを検索可能だ。このBangライブラリは長らく存続し、10,000以上のライブラリが登録されるに至っている。

しかし数日前、およそ2000のBangが突然削除された。興味深いことに、ここにはパイレート・ベイや1337x、RARBGなどのトレントサイトに関連した多数のBangが含まれていた。また、OpenSubtitles、Sci-Hub、LibGenのBangも同様に削除された。

機能を停止したパイレート・ベイBang

当初、事態は不透明であったが、一部のユーザがRedditに質問を投稿すると、DuckDuckGoのスタッフが、大規模なクリーンアップ作業の一環であると説明した

DuckDuckGoはBangライブラリを点検し、機能していないもの、ほとんど利用されていないものを削除したという。加えて、多く海賊版サイトのBangが、もう「許可されない」ものとして削除された。

「Bangにはしばらく放置されたものや壊れているものが多数ありました。またBangの大掃除の一環として、おもに違法コンテンツへのリンクを提供するものも削除しました」とDuckDuckGoスタッフのタガワは説明する。

DuckDuckGoは問題のサイトを現在もインデックスしているが、サービス内でこれらサイトの検索ショートカットを提供すれば、問題に直面する可能性がある。

Bangコマンドが導入された当時、これは大きな問題ではなかった。しかしおそらく、外部の仲介者に求められる役割が変化しつつあることで、DuckDuckGoは潜在的な責任問題に直面していることを認識しているのだろう。

「一見すると同じように見えても、Bangと検索結果はの法的責任はまったく異なります。Bangは私達自身がプロダクトに追加するため、法的にはそのサイトやそのコンテンツを積極的に助長する編集上の決定を行ったと解釈されうるのです」

この決定に不満をあらわにするユーザもいる。彼らは削除された複数のサイトで、オープンソースのLinuxなど合法的なコンテンツにもアクセス可能だと指摘する。しかし、DuckDuckGoは危険な橋を渡りたくはないようだ。

DuckDuckGoからは削除されてしまったものの、ほかのツールを使えばこの機能を取り戻すことができる。たとえばFirefoxでは、独自の検索ショートカットを作成できる。ほぼBangと同じ機能といっていいだろう。

幸運なことに、TorrentFreakはこのDuckDuckGoパージを生き延びることができた。なお、最新のLinuxディストリビューションを探したいなら、「!distro」Bangコマンドが使用可能だ。

DuckDuckGo Removes ‘Pirate’ Site Bangs to Avoid Liability – TorrentFreak

Author: Ernesto / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: December 03, 2018
Translation: heatwave_p2p
Header Image: pixishared (CC BY-SA 2.0)