Source: Reddit

以下の文章は、Wikimedia Foundationの記事「Four Wikipedias to ‘black out’ over EU Copyright Directive」を翻訳したものである。

ドイツ語、チェコ語、デンマーク語、スロバキア語の4言語のWikipedia編集者コミュニティが3月21日、現行のEU著作権指令案に反対するために、サイトのブラックアウト(非表示)を決定しました。

これらの各言語版Wikipediaは、訪問者のアクセスをすべてこの指令案に関するバナーにリダイレクトしています。このコンテンツへのアクセス遮断は24時間にわたって続けられることになっています。この指令に関する最終投票は3月26日に予定されています。

各言語の編集者コミュニティはそれぞれ、通常Wikipediaで行われる議論と同様に、ディスカッションとコンセンサスを経て、このブラックアウトを決定しました。ドイツ語版Wikipediaコミュニティの声明では、次のように説明されています。「各言語版のWikipediaコミュニティは独立して、それぞれの行動方針に関するオンラインでの議論を公開で実施し、抗議活動を実施すべきか、その方法をどうすべきかについて投票を行った。それぞれに自らのガバナンスのルールに基づき、今回の措置を実施している」

ボランディア編集者が、Wikiepdiaや自由でオープンなインターネットに影響を及ぼす可能性のある政策問題に反対し、行動を起こしたのはこれが初めてではありません1。しかし、こうした行動はめったに起こるものではなく、明確な意図を持ち、正当な理由で行われています。Wikipediaのボランティアコミュニティは、世界でWikipediaが担う重要性と、知の集約という権威性が、コンテンツの中立性に依拠していることを理解しています。しかし、7年前、コミュニティ主導の市民的参加について私たちが述べたように、「Wikipediaの記事は中立であり、(しかし)その存在はそうではない」のです。

Wikimedia財団は、私たちの使命と価値に直接影響をおよぼす政策問題にWikimediaプロジェクトをどのように参与させるべきかの選択について、私たちのコミュニティの決定を支持します。また、私たちのコミュニティは、ローカルポリシーの文脈を理解し、私たちのサイトがそれに参与する方法について決定するために、最良の立場をとっているとも認識しています。Wikipedia財団の役割は、それぞれのコミュニティの決定を尊重し、彼らの行動が確実に支援されるようにすることにあります。

こうしたコミュニティ・ガバナンスは、WikipediaおよびWikipediaのプロジェクトを非常に堅牢かつユニークなものにしています。これらのサイトは、ただ単に数百万の人々が情報を編集しているだけでなく、知の平等を提供しているのです。世界中の誰であっても、知への貢献のあり方、知の活用のされ方について意見できなくてはなりません。

Wikipedia財団がこのブラックアウトを支持し、各コミュニティの決定に耳を傾け、尊重し、干渉されないようにすることに重きを置いているのは、そのような理由からです。

Sherwin Siy, Senior Public Policy Manager
Jan Gerlach, Senior Public Policy Manager
Wikimedia Foundation

  1. 2011年と2012年に、イタリア語、英語、ロシア語のWikipediaが、(それぞれ)イタリア、米国、ロシアの法案に反対するためにブラックアウトを実施している。

Wikimedia財団のEU著作権指令に対する立場は、Wikipediaサイトの編集コミュニティの意見とは独立に、はっきりしています。この指令案は、世界の自由な知を損ねるだけのものです。この問題について詳しく知り、参加したい方は、fixcopyright.wikimedia.orgにアクセスしてください。

Four Wikipedias to ‘black out’ over EU Copyright Directive – Wikimedia Foundation

Author: Sherwin Siy and Jan Gerlach / Wikimedia Foundation / CC BY-SA 3.0
Publication Date: March 20, 2019
Translation: heatwave_p2p
カテゴリー: Copyright