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米国政府は、大手海賊版サイトをはじめとする「悪名高き市場」のリストを公表した。今年の概要には、お馴染みのパイレート・ベイやFMovies、Uploadedといった容疑者たちが含まれる一方、ゲーム関連サイトやホスティング企業などの顔ぶれも挙がっている。USTRは、こうした脅威を強調することで、プラットフォーム運営者や外国当局が対策を講じることを期待している。

米国通商代表部(USTR)は、毎年「悪名高い市場報告書」を公表し、海賊版や偽造に関与しているとされる数十のウェブサイトをリストアップしている。

この概要は、おもにRIAAやMPAAなどの業界団体が提出した意見書に基づいて作成されている。

USTRは、このリストは網羅的なものではなく、(訳註:掲載されたサイトによる)違法行為を反映したものでもないと強調する。この報告書の目的は、サイトのオーナーや外国政府が適切な行動を起こし、海賊行為を減少するよう促すことにあるという。

「誠実な努力がなされない場合、責任ある政府当局は、これら市場および類似の市場における海賊行為および偽造行為に関する報告書を調査し、これら市場およびその所有者、運営者に対して適切な措置を講じるべきである」とUSTRは記している。

昨年に比べると、今年の報告書は偽造品やオフラインの市場に力を入れているようである。たとえば、おもに偽造品と関連する自由貿易地域(free trade zones)に重きを置いている。だが、報告書では海賊版サイトの存在も強調されている。

第一に、政府は最近の海賊版対策分野での成功事例についていくつか報告している。ベトナム国内での刑事捜査の着手後に閉鎖した123moviesや、さらに最近のとこでは、ユーロポール主導の強制捜査後に閉鎖したFAB IPTVが挙げられている。

それでもなお、海賊版に関連した課題は残されている。USTRの報告書によると、パイレート・ベイは何度か深刻な停止状態に追い込まれてはいるものの、依然として主要な侵害者の1つであるという。

「パイレート・ベイのウェブサイトはこの1年間、定期的に機能を呈しているが、著作権者はこのプラットフォーム場で行われる著作権侵害の規模が大きいと報告し続けている」とUSTRは記している。

「パイレート・ベイは、BitTorrentインデックスサイトの筆頭であり、海賊版を公然と推奨する存在でもあることから、世界で最も頻繁にアクセスされるウェブサイトの1つであり続けている」と報告書にはある。

ほかにも、突出したトレントサイトとして、RuTorrentとRARBGが言及されているが、興味深いことに、以前には含まれていた1337x.toが、今回は外れている。

USTRはまた、ストリームリッピングサイトのFlvto.bizと2Conv.comもリストに入れている。両サイトは現在、米国で複数のレコード会社との法廷闘争に巻き込まれている。USTRはさらに、別の人気ストリームリッピングサイトとしてMP3juices.ccを挙げている。音楽関連のサイトとしては、ほかにもMp3va.comやNewalbumreleases.netが言及されている。

この最新の悪名高き市場の概要には、Firestorm-Servers.comとWarmane.comといったゲーム関連のウェブサイトも掲載されている。いずれも無断で『World of Warcraft』のサーバをホストし、数千人のプレイヤーを抱えている。

もう1つのゲーム関連サイトはMpgh.netで、同サイトは各種ハックやチートを提供している。

「Mpgh.netは『チート』を提供するサイトの一例であり、400万人を超えるユーザに数十万のチートを無料で提供していると言われている。同サイトは広告や優良アカウントから収益を得ており、アクセスするとインターネット・ブラウザが悪意あるコンテンツを検出して警告してくるとも報じられている」とUSTR走るしチエル。

USTRは、こうしたマルウェアとの関連性をしばしば取り上げており、海賊版サイトが悪意あるコンテンツの拡散に関連していることが多いとする複数の報告を紹介している。

USTRの報告書は、Openload、Uploaded、Rapidgatorなどの人気サイバーロッカーについても取り上げている。FmoviesやTVPlus、TVBrowserといったストリーミングサイトやアプリもリストに入れられている。

海賊版放送局のBEOUTQ、海賊版学術論文サイトのSci-HubとLibGen、ロシアのソーシャルネットワークVK.comの名前も挙がっている。VKについては、この数年に渡って多数の著作権侵害対策を講じているものの、ずっと言及され続けている。

USTRは、個々のサイトやサービスに加え、問題のあるプレイヤーとして一部のホスティングプロバイダーの存在を指摘している。ここには、FlokiNETなどのいわゆる防弾ホスティングサービスが含まれる。

「FlokiNETはますます問題となりつつあるホスティングプロバイダの一例である。こうしたプロバイダは、侵害通知や警告にも応答せず、既知の侵害サイトを支援している」とUSTRは述べている。

USTRは、こうした問題のあるサイトや企業の存在を強調することで、サイト運営者やその国の法執行機関が海賊版対策を講じることを期待している。

USTRによる(昨日公表された)2018年の悪名高い市場の概観の写しはこちらから(pdf)。この報告書で強調されたオンラインサイト・サービスの全リストは以下の通りである。

  • 1Fichier.com
  • BEOUTQ
  • Bukalapak.com
  • Carousell.com
  • Chomikuj.pl
  • DHgate.com
  • Firestorm-Servers.com and Warmane.com
  • FlokiNET
  • Flvto.biz and 2Conv.com
  • FMovies.is
  • Hosting Concepts B.V.
  • Indoxx1.com
  • Kinogo.cc
  • MP3juices.cc
  • Mp3va.com
  • Mpgh.net
  • Newalbumreleases.net
  • Openload.co
  • Pelispedia.tv
  • Pinduoduo.com
  • Private Layer Hosted Sites (e.g. Torrentz2.eu)
  • Rapidgator.net, Rutracker.org, and Seasonvar.eu
  • RARBG.to
  • Sci-Hub and LibGen
  • Shopee.ph
  • Taobao.com
  • Thepiratebay.org
  • Tokopedia.com
  • Turbobit.net
  • TVPlus, TVBrowser, and Kuaikan
  • Uploaded.net
  • Uptobox.com
  • VK.com

US Govt Identifies Top Pirate Sites and Other ‘Notorious Markets’ – TorrentFreak

Author: Ernesto / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: April 27, 2019
Translation: heatwave_p2p
Material of Header Image: Patrick Brinksma
カテゴリー: Copyright