RIAA、召喚状に基づきCloudflareに海賊版サイト運営者の情報開示を要求

TorrentFreak

RIAAはコロンビア特別区裁判所から、Cloudflareに対し、著作権を侵害したとされる複数のユーザのIPアドレスやメールアドレスなど、すべての個人情報を開示するよう命じる召喚状（subpoena）を取得した。RIAAは、この情報をメンバー企業の権利保護に利用するという。

適法な選択肢が増えたにもかかわらず、いまだにストリームリッピングや、非公式のソースからのMP3ダウンロードが後を絶たない。

こうした行為を可能にするサイトは、海賊版対策を進める音楽業界団体のRIAAの頭を悩ませてきた。

RIAAは長きに渡り、海賊版サイトを追跡している。だが問題は、こうしたサイトの多くが匿名で運営されていることにあった。そのため、RIAAはより多くの情報を得るために、しばしば第三者の仲介者に目を向けている。

情報開示の要請に自発的に応じるサービスもないではないが、大半はそうではない。CDNサービスのCloudflareも後者に属する。同社は一部ユーザの実際の所在地については自発的に開示しているが、個人情報を明らかにすることはない。少なくとも、召喚状が出されていなければ。

権利者には幸いなことに、米国で召喚状を獲得するのは難しいことではない。権利者はDMCAに基づき、著作権侵害者の個人情報を開示を求める召喚状に裁判所書記官の署名をもらうだけでよいのだ。これはまさに、RIAAが先週行ったことである。

RIAAのオンライン海賊版対策担当副部長のマーク・マクデヴィットは、Cloudflareに送付した書簡の中で、Cloudflareユーザの6つのドメインの運営者の氏名、住所、支払い情報などの個人情報開示を求めた。

問題のドメインには、ファイルホスティングサイトのDBREE、音楽リリースサイトのRapGodFathers、ファイルホストのAyeFiles、音楽ダウンロードポータルのPlus Premieresなどが含まれる。これらのサイトはPink、Drake、Taylor Swiftらの楽曲の著作権を侵害しているという。

「当社は、貴社のシステムまたはネットワークのユーザが当社会員レコード社が著作権を保有する録音物の権利を侵害したと判断しました。デジタルミレニアム著作権法に基づく召喚状を同封いたします」とRIAAのマクデヴィットは綴っている。

「添付の召喚状に記載されているように、貴社はRIAAに対し、侵害者を特定するのに十分な情報を開示しなくてはなりません。これには、個人の氏名、住所、IPアドレス、電話番号、Eメールアドレス、支払い情報、アカウント更新情報、アカウント履歴などが含まれます」

RIAAは、これらのファイルが許諾なく提供されていることを強調した上で、Cloudflareに対し、侵害を大規模に繰り返しているサイトの性質を考慮し、同社の侵害を繰り返すユーザに対するポリシー（repeat infringer policy）に則って然るべき対処をとるよう求めている。