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アンティグアに拠点を置くSlySoftはウェブサイトを停止し、同社が販売する人気のBlu-rayリッピングソフトAnyDVDの販売を終了した。ハリウッドとテクノロジー・パートナーが米国政府に介入を依頼した数日後のことであった。

Warner Bros.、Disney、Microsoft、Intelなどの映画会社、テクノロジー会社が結成したライセンシング団体AACS LAは、今月初め、SlySoftによる不正な活動について米国政府に報告した。

SlySoftはさまざまな著作権保護回避ツールを販売していることで知られている。そのなかでもAnyDVDは高い人気を誇り、この2年間で数万本を販売している。

2014年、AACS LAはアンティグア法廷でSlySoftに勝利した。SlySoftオーナーであるGiancarla Bettiniは、2003年著作権法において6つの罪状で有罪とされ、1侵害につき5000ドルを支払うよう命じられている。また支払えなかった場合には、1侵害につき6ヶ月の懲役が課されることになった。

しかし、AACS LAが勝利したにも関わらず、状況はほとんど変わらなかった。SlySoftのオーナーが控訴し、刑の執行が行われていないためだ。その結果、AnyDVDは引き続き販売され続けてきた。

しかし、昨日ドメインのネームサーバーが削除され、突然ウェブサイトが消えてしまった。当初、その原因は不明であったが、Myce.comは法的問題が原因だと報じた。数時間後、SlySoftは短い声明を公表し、それが事実であることが確認された。

「最近の法的規制をうけ、私たちはSlySoft Inc.のすべての活動を停止しなくてはならなくなりました。長年ご愛顧いただいたお客さま、クライアントの皆さまには謹んでお礼申し上げます」というメッセージがサイトホームページに掲載されている。

SlySoft.com 閉鎖
slysoft.com_

突然の閉鎖に至った詳細な理由については確かではないが、AACS-LAが米国通商代表を動かそうとしたことが原因ということもありえなくはない。

AACS LAは、政府への陳情のなかで、アンティグアを著作権優先監視国リストに入れるよう求めた。つまり、「国際問題」に発展させようとした。

「SlySoftのAnyDVD HDのようなプログラムを利用した回避は、米国ならびにアンティグア・バブーダ、そしてその他多数の国のユーザによる広範かつ大規模、商業的著作権侵害を引き起こしている」とAACSはいう(PDF)。

「そのような回避は、『ルールに則って』コンテンツを再生するデバイスを製造している適法な家電および情報技術企業を害してもいる」

米国政府の介入があったか否かにかかわらず、10年以上が経過し、SlySoftとそのオーナーにかかる法的な圧力は、もはや耐え切れないほどにまでなってしまったのだろう。AnyDVDは永遠にオフラインとなってしまうのか、それとも新たな装いで復活を果たすのだろうか。

“Popular Blu-Ray Ripping Software Shuts Down Following Legal Pressure – TorrentFreak”

Author: Ernesto / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: February 24, 2016
Translation: heatwave_p2p