以下の文章は、TorrentFreakの「Just Six Percent of Finns Say They Illegally Stream Movies or TV Shows」という記事を翻訳したものである。
フィンランドで実施された調査から、同国民の海賊版に対する興味深い態度が明らかになった。回答者の大多数は、いかなる形態の海賊版であれ受け入れがたいとしており、好意的な態度を示したのはわずか3%にとどまった。海賊版の映画やTV番組のストリーミングを視聴していると認めたのは全体の6%であった。
エンターテイメント業界はこの20年近く、オンラインコンテンツを合法的に消費するよう大衆を説得しようとしてきた。
ハイクオリティな正規サービスの登場により、以前に比べればその取り組みは効果をあげているようにも見えるが、依然として世界各国で海賊版の蔓延が問題となっている。しかし、その傾向はフィンランドには当てはまらないようだ。
市場調査会社「Taloustutkimus Oy」が毎年実施している調査によると、フィンランドの大多数の市民が海賊版を否定的に見ており、全体の58%がいかなる形態の海賊行為であれ容認できないと考えているという。個人的に使用するためのダウンロードであっても、この数字はわずか11%しか減少しない。
違法な消費形態のうち、最も多かったのが「違法サービスでのストリーミング」で、9%が視聴していることを認めた。昨年の調査では12%だった。
興味深いことに、違法なオンラインサービスから海賊版の映画やテレビ番組にアクセスしたことを認めた回答者は、わずか6%だった。これも2018年調査の7%から減少している。
調査結果の概要を公表した海賊版対策団体「TTVK」によると、違法ダウンロードは全体として減少傾向にあるという。
「違法ダウンロードは依然として若年層(15〜24歳)で最も多く見られるが、全体としては大幅に減少し続けている」とTTVKは指摘する。
「調査によると、25歳未満の13%が、自分自身が使うのであればオンラインコンテンツを不正にダウンロードする行為を許容できると回答しているのものの、自分自身・家族がそうしていると回答したのはわずか9%であった」
「2015年調査では(訳註:この割合が)29%であったことを考えれば、ストリーミングサービスが一般的になるにつれて、フィンランドのエンターテイメント消費は適法なチャンネルにますます移行しつつあるようだ」
ますます「海賊版」ストリーミングサービスが隆盛しているが、その多くはNetflixのインターフェースを模した外観やエクスペリエンスを備えている。Popcorn Timeがその代表格といえるが、それほど詳しくないユーザには適法サービスか違法なサービスかの違いはつきにくいのかもしれない。
この調査では、回答者のおよそ3分の1が、適法サイトと違法サイトの区別に苦労していることがわかった。幸いなことに、10人中6人(57%)が簡単に見分けられると回答している。とはいえ、残りの人たちは不確かなままではあるのだが。
こうした不確実性は、Laillisetpalvelut.fiを訪問することで多少は解消されるだろう。同サイトは、消費者が適法なリソースを発見することを支援するポータルだ。しかし調査によれば、このサイトの認知度は低く、回答者のわずか6%しか知らなかった。
全体として、回答者の84%が著作権を重要な問題だと捕らえており、まったく不要だと回答したのはわずか3%にとどまった。また、回答者の83%が著作権団体は必要だと感じており、79%が「正しい方向に進んでいる」と考えているという。
「さらにフィンランド人は、クリエイティブ業界の従事者は、その利用に応じて、労働に対する対価を受け取るべきであるという考えで一致している」とTTVKは記している。その割合は91%だという。
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2019年の調査結果はこちらから。2018年の調査結果はこちらから。
Just Six Percent of Finns Say They Illegally Stream Movies or TV Shows – TorrentFreak
Publication Date: June 15, 2019
Translation: heatwave_p2p
Material of Header Image: ICOOOON MONO