以下の文章は、TorrentFreakの「Pirate IPTV Network Shut Down After Police Raid Cable Operators」という記事を翻訳したものである。

TorrentFreak

ブルガリア内務省のサイバー警察は、ユーロポールの協力を得て、放送を違法に傍受したとされる国内5つのケーブル事業者への強制捜査を行い、多数の機器を押収した。信号はIPTVアプリを通じて世界中に配信されていた。

海賊版IPTVサービスが世界中で勢いを増し続けていることをうけ、このビジネスに歯止めをかけようとする取り組みが進められている。

これまでのところ、摘発は主要IPTVプロバイダとその再販業者に集中していたが、ブルガリア当局は、さらに上位レイヤーをターゲットにした捜査に着手したようだ。

ブルガリア内務省組織犯罪対策ユニットのサイバー犯罪担当官は、国外および国内のチャンネルを傍受し、権利者に無断で再配信したとして告訴されていた5つのケーブル事業者への捜査を開始した。

このオペレーションは、ユーロポールの知的財産犯罪協調連合 (IPC3)とAudiovisual Anti-Piracy Alliance(AAPA)の協力を得て実施され、全世界に推定70万人の加入者を抱える海賊版IPTVサービスを停止に追い込んだという。

当局によると、ブルガリア8都市で家宅捜索が行なわれ、IPTVプロバイダのモバイルアプリにコンテンツを供給していたサーバを含むすべてハードウェアが押収された。

家宅捜索の模様(Credit: ブルガリア内務省)

内務省によると、家宅捜索の令状は複数の地方裁判所から発行されたという。8つのチームが結成され、ケーブル事業者が使用する技術的装置をターゲットとして、オフィス等施設の一斉捜索が行なわれた。

この海賊版IPTVサービスをめぐっては、同国の全国放送局のbTVやローカルTVネットワークのNova、米国のケーブル/衛星放送のHBOな複数の放送局が知的財産権侵害を訴えていた。

内務省の報告によると、知的財産権侵害は他国からの評価にも悪影響を及ぼしているという。実際、USTRが公表するスペシャル301条報告書でも、ブルガリアは「オンライン海賊行為と海賊版放送で、著作権執行に重大な問題を抱えている」と指摘されている。

政府は知的財産権侵害に関する捜査を進めると同時に脱税容疑についても捜査を進めていくとしている。

今後は、違法行為の疑いがある事業者を優先的に、全ケーブル事業者への定期的な検査を実施していくという。

Pirate IPTV Network Shut Down After Police Raid Cable Operators – TorrentFreak

Author: Andy / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: June 18, 2019
Translation: heatwave_p2p
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