以下の文章は、TorrentFreakの「EU: 51% of Young People Pirated Nothing During the Last Year」という記事を翻訳したものである。

TorrentFreak

欧州連合知的財産庁が公表した最新調査から、15〜24歳の若年層の51%が過去12ヶ月間に海賊版デジタルコンテンツをまったく利用していないことがわかった。およそ3分の1が違法なコンテンツを利用したことを認めているが、EUによれば若者が海賊版だけに頼ることは稀だという。全体としてみれば、調査対象者の8割が正規のソースを利用してデジタルコンテンツにアクセスしている。

EU知的財産庁は、知的財産権と若年層の動向に関する最新の調査結果を公表した。

この調査の目的は、15〜24歳の若年層による適法および違法なデジタルコンテンツの入手、商品の購入に関して、それに強く働く促進・阻害要因への理解を深めることにある。

2016年に公表された前回調査と同様に、若年層で最も人気のコンテンツは音楽であった。なんと97%が音楽のストリーミング/ダウンロードを、94%が映画やドラマシリーズのストリーミング/ダウンロードを行っており、ゲームが92%とそれに続く。さらに10人中8人が教育コンテンツ(82%)や、他のテレビ番組やスポーツ(79%)にアクセスしていた。

もちろん、そのすべてが合法的にコンテンツにアクセスしているわけではない。この調査によって、およそ3分の1(33%)がライセンスを得ていない情報源を利用していることが明らかになっているが、その割合は2016年の前回調査に比べると約5パーセントポイント低下している。

だが、その33%の内訳を見ると、21%が故意に海賊版コンテンツにアクセスしたと回答する一方で、12%は意図せず海賊版を消費してしまったのだという。

報告書では、「意図して違法なソースを利用してデジタルコンテンツにアクセスする若年層は、主に映画やドラマシリーズにアクセスするためにそうしている」と述べられている。

「違法なソースから音楽にアクセスする者の数は顕著に減少している。ほぼすべての若者がオンラインで音楽をダウンロード/ストリーミングする一方で、違法なソースを故意に利用して音楽にアクセスしているのはわずか39%で、2016年から17ポイントも減少している」

違法なソースを利用する動機は、従来から指摘されてきたものばかりだ。半数以上(56%)が価格をその理由に挙げ、3分の1弱(30%)がコンテンツが合法的にアクセスできないこと、または海賊版サイトの方がより豊富な選択肢があると考えていること(26%)などを挙げている。一方、海賊版サイトの利用を阻害する要因もある。

「若者の違法なソースのデジタルコンテンツへのアクセスを阻害する要因は、ほぼ確実に存在している。第一に、手頃な価格(55%)、そして罰のリスク(35%)、ネガティブな個人的経験(29%)と続く」と報告書に記されている。

またこの調査では、意図的な違法コンテンツの消費に関連して、より一般的なデジタルプロダクトの消費との「限定的な相関」が見いだされている。回答者の大半が映画、テレビ番組、スポーツ、ゲーム、電子書籍などのコンテンツを利用していたが、意図的な海賊版の利用は、映画やドラマシリーズのストリーミング/ダウンロードに集中する傾向にあった。

報告書では、「一般的には、若者が違法なソースだけに依存することは稀であり、調査対象者の80%が合法的なソースを利用してデジタルコンテンツにアクセスしている」とした上で、若者の51%が「過去12ヶ月間に違法なソースからのコンテンツを利用、再生、ダウンロード、ストリーミング」することはなかったとしている。

報告書全文はこちらから(pdf)。

EU: 51% of Young People Pirated Nothing During the Last Year – TorrentFreak

Author: Andy / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: October 30, 2019
Translation: heatwave_p2p
Header Image: JOSHUA COLEMAN