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昨年初頭に敗北したユニバーサルミュージックは、ロシアのソーシャルネットワークサイトVKontakteに対する裁判を控訴する意向を明らかにした。ユニバーサルはVKontakteのソーシャルネットワーク上で大規模な海賊行為が行われていることを非難し、損害賠償とより強力な著作権侵害の予防措置を求めている。

この数年、VKontakte(VK)は著作権者や米国政府から、著作権侵害の幇助者というレッテルを貼られてきた。

VKは一般的なユーザ生成サイトと同様に、数百万のユーザに、映画からテレビ番組、音楽コレクションなどありとあらゆるファイルのアップロードを許可している。しかし、著作権者は、VKが適切な著作権侵害予防措置を講じていないとしばしば批判している。

2年前、ついにユニバーサルミュージックとワーナーは、サンクトペテルブルク・レニングラード地区仲裁裁判所に裁判を起こした。両社は、VKが幇助しているという大規模な著作権侵害への損害賠償tおその予防措置を求めた。

昨年、レーベルは大勝利をおさめた。サンクトペテルブルク・レニングラーツキー地区仲裁裁判所は、VKは著作権侵害の責任を負わないものの、レーベルの権利を侵害から守るための「有効な」フィルタリングなどの技術を実装する義務があるという判決を下した。

しかしその数カ月後、この判決は覆されることとなった。同地区の控訴裁判所は、VKontakteは大規模な著作権侵害防止策を講じる必要はないとし、ユーザが行った著作権侵害に対する責任もない、という判決を下した。

レーベルは判決が覆されたことに大いに失望した。しかし今週、ユニバーサルミュージックは公式に控訴することを表明したと、Rapsiが報じている

ユニバーサルは、VKが著作権侵害に責任を負うとして、被った損害に対して損害賠償を請求している。もともとの提訴では、ユニバーサルはVKから13曲を削除することと、1560万ルーブル(24万1900ドル)を補償するよう求めていた。

ワーナーミュージックが控訴するの否かは不明だが、業界関係者が以前に語ったところによると、ワーナーも上級審での審理を望んでいるという。

この件には、もう1つレーベルが関わっている。ソニー・ミュージックは既にVKとの裁判を早々に打ち切っている。ソニーはVKと和解を結び、昨夏には訴訟を取り下げていた。

複数の著作権侵害裁判を起こされたことについて、VKディレクターのドミトリー・セルゲーエフは、VKがこの問題を解決するために最大限努力していくと話していた。

セルゲーエフは、VKがとくに音楽の著作権侵害に利用されてきた歴史を認めつつも、著作権侵害を減らすために多数の取り組みを行っており、しばしば著作権者とも協働しているという。

「この数年間、特に2013年から2014年にかけて、VKは著作権者の懸念を払拭するためのたくさんの措置を講じてきました。こすいた措置は、VKを改善し、権利者や著作権産業団体と協働するVKの長期計画の一部となっています」とセルゲーエフは言う。

果たしてVKの取り組みは十分なのか。その回答は法廷に委ねられている。

Author: Ernesto / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: May 17, 2016
Translation: heatwave_p2p
Header Image: Фото Москвы Moscow-Live.ru/ CC BY-NC-SA 2.0