ワーナー・ブラザースとインテルは、ハードウェア小売業者Ace Dealとの和解に至った。Ace DealはDMCA違反を認め、Blu-rayおよび4Kコンテンツ・プロテクトを『剥ぎ取る』デバイスの販売に関して、500万ドル超の損害賠償の支払いに応じた。
海賊たちが超大作映画の入手に手こずるのは、あらゆる人気のBlu-ray、HDストリーミングコンテンツがコピー・プロテクトされているためである。
その標準規格であるHDCPは、インテルの子会社DCPが所有するテクノロジーで、HDコンテンツのリッピングを難しくしている。とはいえ、完全に不可能というわけではない。
今年初め、DCPとワーナー・ブラザースは、HDCP2.2コンテンツ・プロテクトを回避できる機器を製造・販売していた2つの会社に訴訟を起こした。
中国企業LegendSkyへの訴訟は、先月和解に至ったが、実質的には権利者側の『負け』に等しいものであった。しかし今月、別の訴訟に関して、DCPとワーナー・ブラザースに喜ばしい結果がもたらされた。
DCPとワーナー・ブラザースは、カリフォルニアのハードウェア小売業者Ace Dealとの和解に至った。Ace DealはDMCAにおける両社の権利を侵害したことを認めた。Ace Dealは、保護されたビデオコンテンツのコピー・プロテクトを回避し、暗号化を解除するいわゆるHDCP回避デバイスを販売していた。
両者は、カリフォルニア連邦裁判所に最終判決と終局的差止命令の共同提案を提出した。その文書(PDF)によると、Ace Dealは昨年、2,078台の回避危機を販売したという。
Ace Dealは両者の主張を認めただけではなく、525万ドル(約586億円)もの損害賠償の支払いにも同意した。小規模な企業にとっては莫大な金額である。
この和解には、損害賠償の支払いに加え、Ace Dealとその従業員が今後同様の製品を提供することを禁じる終局的差止命令も含まれている。
彼らは「主としてHDCPを回避するために設計または製造された、あらゆる技術、製品、サービス、デバイス、部品、またはその一部分の輸入、製造、公衆への提供、供給、販売、使用、または輸送」を差し控えるよう命じられた。
いまのところ、裁判所は正式にこの提案を承認してはいないが、おそらく手続き的な遅延であろう。すでに、Ace Dealは自社ウェブサイトから問題の製品に関する情報を削除している。
本件は、中国企業LegendSkyに対して起こされた訴訟と多くの点で類似しているが、その結末はまったく異なる。LegendSkyは同様にHDCPコピー・プロテクションを「剥ぎ取った」として提訴されたが、その主張は認められなかった。
LegendSkyは、同社が製造する4Kスプリッター・デバイスはいかなるHDCPコピー・プロテクションを「解除する」ものではないと主張した。上位のHDCPプロテクトを下位のHDCPプロテクトにダウングレードするだけのものであり、それ自体はDMCAの例外として認められている。
Ace Dealのケースでは、この主張はうまくはまらず、その結果、少なくとも書類上は、数百万ドルの借金を背負うことになった。本当にその金額を支払うことになっているかはわからないが。
“4K Content Protection “Stripper” Must Pay $5 Million in Damages – TorrentFreak”
Publication Date: May 27, 2016
Translation: heatwave_p2p
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