人気のファイルホスティングサービスUploaded.netは、ドイツの音楽著作権団体GEMAとの裁判に敗北した。ミュンヘン地方裁判所は、Uploadedが海賊行為に対処するための積極的な手段を実装しなかったとして、ユーザの著作権侵害に責任を負うとする判決を下した。
月に数百万の訪問者を抱えるUploadedは、インターネット上で最大級のファイルホスティングサービスだ。
競合となる多くの『クラウド・ホスティング』サービスと同様に、Uploadedは著作権侵害コンテンツの共有にも利用されている。それが著作権団体の悩みの種ともなっている。
この状況が、およそ70,000人のアーティストを代表するドイツの音楽著作権団体GEMAを訴訟へと突き動かした。
今週、ミュンヘン地方裁判所は、Uploadedはオンライン・パイラシーに対してもっと積極的な姿勢で望むべきだとする判決を下した。現在のサイトの状況を考慮すると、Uploadedはユーザの著作権侵害に責任を負わなければならない、とされた。これは、Uploadedが損害賠償に直面しているということも意味する。
裁判所命令によると、Uploadedは著作権侵害ファイルを報告された時に削除するだけでは不十分であり、一旦削除されたファイルが再アップロードされることを防ぐなどの追加的措置を講じなければならないという。
これは、いま権利者たちが世界中でロビイングしている「テイクダウン・ステイダウン」の原理に酷似している。
全体として、裁判所はUploadedのビジネスモデルが「リスクを誘発し」「著作権者にとって危険なもの」であると判断した。さらに、ユーザの匿名性と紹介プログラムがUploadedの責任をさらに重くする要因であると強調している。
実際、ほかのファイルホスティングサービス同様、Uploadedは新規ユーザを紹介したユーザに報酬を支払うプログラムを提供している。
GEMAのCEOハラルド・ヘーカー博士はこの判決を歓迎し、サイト運営者が提供するサービス内で行われる著作権侵害に責任を負うよう規制することを求めた。
「ファイルホスティングサービスは、創造的なコンテンツを搾取することによって多額の利益を得ている。彼らは著作権侵害を積極的に受け入れているのです。この不均衡は私たちのメンバーの利益を損ねるものであり、受け入れることはできません」と彼は言う。
Uploadedの親会社Cyando AGは、いまのところこの判決についてコメントしていない。
Uploadedがドイツで敗訴したのはこれが初めてではない、とRaschの弁護士ミルコ・ブルスはTorrentFreakに教えてくれた。今年4月、同社は海賊版の電子書籍をめぐって争われていた米国出版者協会との同様の裁判にも敗訴している。
「2つの判決に共通しているのは、Uploadedは通知された場合にのみコンテンツを削除すればいいというわけではない、ということです。再アップロードされ、再びダウンロードされることを防ぐための予防的な措置を講じなければならないというわけです」
Uploadedが損害賠償を支払う可能性があるが、裁判所の命令はいまのところ法的拘束力があるわけではなく、おそらくは控訴されるだろう。いずれにしても、損害賠償額を確定するための裁判も必要になる。
Court: Uploaded.net Failed to Prevent Piracy, Faces Damages – TorrentFreak
Publication Date: August 12, 2016
Translation: heatwave_p2p