TorrentFreak
音楽業界は海賊版サイトに強い懸念を抱いているが、正規版サービスにも大きな抜け穴が存在する。たとえばフランスの音楽ストリーミングサービスDeezer。同社は楽曲を自由にダウンロードできる『ハック』版をインターネットから排除しようと試みている。
現在、海賊版音楽を入手する方法は、トレントサイトやダウンロードポータル、ストリームリッピングなど数多く存在する。
音楽業界はこうした不正なサービスを厳重に取り締まろうとしているが、彼ら自身も問題を抱えている。
SpotifyやTidalなどの正規ストリーミングプラットフォームは、音楽リッピングに利用されてきた。フランスの大手ストリーミングサービスDeezerもそうだ。
さまざまなアプリケーションを通じて、Deezerの音楽ライブラリ全体にアクセスし、ダウンロードできてしまう。
たとえばDeezloaderを使えば、正しくタグ付けされた高音質の楽曲をタダで入手できてしまう。ワンクリックでフルアルバムをダウンロードしたい？ 無問題。数十曲のカスタムプレイリスト？ はい、完了。
当然、Deezerはこのようなアプリを好ましくは思っていない。同社はDMCAに基づく申し立てを行い、その削除に向けて最善を尽くしている。今週、デベロッパ・プラットフォームのGitHubに、これら複数のツールをターゲットとした通知を送付した。
「下記のプロジェクトは、Deezerのハック版の提供、またはDeezerの音楽カタログの違法ダウンロードを可能にし、Deezerおよび我々がライセンスする音楽著作権者の権利を侵害している」とDeezerは記している。
「……そこで、下記URLに付随するプロジェクト、および同プロジェクトにアクセスないし貢献した人物による関連フォークを即座に削除していただきたい」
GitHubは迅速に対応し、Deezloader、DeezerDownload、Deeze、Deezerio、Deezitのアプリ（およびそのフォーク）へのアクセスを削除した。現在、これらのリポジトリにアクセスすると、以下の通知が表示される。
DMCA削除申し立てにより、少なくともGitHubではこれらのプロジェクトを利用することはできなくなった。しかし、アプリ自体は今後も機能し続ける。また、他のサイトやフォーラムを通じて、未だアクセスは可能だ。
Deezerのこうした努力にも関わらず、この手のツールはしばらく存在し続けており、音楽は再生され続けている。
Deezerは海賊版アプリケーションを「ハック」版と呼んでおり、海賊版アプリが自社サーバにアクセスするのを防ぐことはできていないようだ。それ自体も気がかりではあるが……。
Deezer Tries to Shut Down ‘Hacked’ Pirate Versions – TorrentFreak
Publication Date: December 23, 2017
Translation: heatwave_p2p
