以下の文章は、電子フロンティア財団の「Right to Repair Legislation and Advocacy: 2022 in Review」という記事を翻訳したものである。

Electronic Frontier Foundation

修理する権利は重要だ。デバイスを修理できれば、それを捨て(てゴミにしてしまっ)たり、新しいデバイスを購入せずに使い続けられる。修理する権利は、独立系修理業者の市場を作り、メーカーと独立系との競争を促進し、(あなたのような!)消費者に利益をもたらす。修理は好奇心を満たしてくれるし、何より身近なテクノロジーをより深く理解できるようになる。修理する権利は、あなた自身のニーズとそれを満たす最良の方法を決める権限をあなたに与えるものなのだ。

EFFは修理する権利のために戦い続けているが、その取組は我々だけのものではない。2022年の成功は、法律分野から教育分野に至るまで、修理する権利のためにあらゆる取り組みを続ける人びととの強力によって勝ち得たものである。

アクティビストや政治家の懸命の努力により、ニューヨーク州議会はパトリシア・フェイヒー下院議員とニール・ブレスリン上院議員が提案した「デジタル公正修理法(A7006-B/S.4104-A)」を可決した。この法律はRepair Coalitionからの支持を受けた。この画期的な法律は、メーカーに対し、ユーザやサードパーティの修理事業者に「高生活合理的な条件」で部品や特殊工具の販売を義務づけるものだ。また、メーカーは修理情報、ソフトウェア、ファームウェア・パッチを適用する機能へのアクセスも提供しなければならない。NY州の法律は、車いすユーザの修理する権利法がコロラド州で辛くも可決しカリフォルニア州で否決され)た直後に提出されたものである。

ただし、本稿執筆時点では、キャシー・ホーチュルNY州知事は「デジタル公正修理法」に署名していない。我々は、彼女に正しい決断を求めている。そしてニューヨーク州民には彼女の背中を押すことを求めたい。

我々は今年、カイル・ウィンスの功績を認め、EFFアワード(修理する権利アドボカシー)を同氏に授与した)。ウィンスは長年、修理する権利のアドボカシーに取り組むとともに、2003年からウェブサイトiFixItを運営し、修理する権利ムーブメントのユーザや活動家に、あらゆるモノの修理方法を提供するガイドを共有する場を提供し続けている。

MythBustersやSavage Buildsなどの番組で知られる修理する権利の提唱者、アダム・サヴェージは、EFFのポッドキャスト「How to Fix the Internet」にシンディ・コーン、ダニー・オブライエンとともに出演した。このエピソード「Making Hope」では、コラボレーションとクリエイティビティを基盤とした世界の創造について議論した。

EFFの著作権ウィークでは、立法アクティビストのヘイリー・ツカヤマが、修理する権利とそれを阻む著作権法について記事にしている。また、EFFのGreen v. U.S. Department of Justice裁判も係争中だ。この訴訟は、アクセスコントロール技術の回避を禁じることで自分のデバイスのコードすら見れなくしてる法律を排除することで、修理する権利を強化する可能性を秘めている。我々のアライは、この訴訟を支持する法廷助言書の中で、修理する権利におけるこの訴訟の意味を詳述している。

この1年、オープンレターに署名し、会議に出席し、修理ガイドを共有し、友人と語らい、あるいはそれ以外の方法で修理する権利のための取り組んできた皆さんに感謝したい! 我々は今後も修理する権利のために戦い続ける。2023年、我々が共に勝利をつかむことを楽しみにしている。

本稿は、「Year in Review」シリーズの一部である。2022年のデジタルライツの戦いに関する他の記事もご覧いただきたい。

Right to Repair Legislation and Advocacy: 2022 in Review | Electronic Frontier Foundation

Author: Molly De Blanc / EFF (CC BY 3.0 US)
Publication Date: December 23, 2022
Translation: heatwave_p2p
Material of Header image: insung yoon / ICOOON MONO