以下の文章は、TorrentFreakの「After RIAA Targets DJ & Producer Site Mixstep, Site Shuts Down」という記事を翻訳したものである。
DJ/音楽プロデューサー向けのアップロードサイト「Mixstep」が、RIAAの標的になったことをうけて、自主的に閉鎖の道を選んだ。運営者は、たとえ不埒なユーザを追い出せたとしても、非営利のサービスに侵害アップロード対策はとてもではないができない、とTorrentFreakに語った。
米音楽業界団体「RIAA」はこの数週間、著作権侵害が疑われるコンテンツを扱うサイトへの締め付けを強化し始めた(訳註:関連記事)。
RIAAが現在好んで用いている武器は、DMCA召喚令状だ。この令状は裁判官による審査を必要としないため、比較的容易に取得できることもあり、RIAAはオンラインプラットフォームの運営者を特定するための手段として盛んに用いている。
新たにRIAAのターゲットとなったサイトが、オーディオに特化したアップロード・プラットフォーム「Mixstep」だ。RIAAは先週、コロンビア特別区地方裁判所に、同サイトのあるURLでホストされているコンテンツが、会員社の1つ以上の著作権を侵害していると主張した。
召喚令状は、ドメインレジストリのNamecheapに対し、同プラットフォームのドメイン所有者の氏名、物理アドレス、IPアドレス、電話番号、メールアドレス、支払い情報、アカウント履歴などの個人情報を開示するよう求めている。
TorrentFreakがMixstepの運営者に話を聞いたところ、彼はなぜRIAAのターゲットにされたのかよくわからないと話している。同サイトは侵害コンテンツのホスティングを意図したものではなく、クリエイターに利用してもらうために設計されたのだという。
「このプロジェクトは、DJとプロデューサーのために立ち上げられたのです」と彼はTFに語った。
YouTubeをはじめとする多くのアップロードプラットフォームと同様に、Mixstepにも侵害コンテンツをアップロードするユーザが存在している。しかし、同サイトはコンテンツの削除の懸命に取り組み、サービスを悪用するユーザに厳しく対処してきた。
「すでに違法なファイルをアップロードした多数のユーザを凍結してきました」と彼はいう。
なぜRIAAがサイト運営者を特定しようとしているのかは不明だが、彼らの狙いがプラットフォームの閉鎖にあるのであれば、その目的は達成されたことになる。同サービスは非営利で運営されており、運営者に残された選択肢は1つしかない。
「彼ら(侵害ファイルをアップロードするユーザ)とは十分戦ってきたと思います。だから、近い内にプロジェクトを閉じるつもりです。いずれにせよ、Mixstepは非営利のプロジェクトでした」と彼は言う。
サイトにアクセスすると次のメッセージが表示される。RIAAによっては「任務完了」ということなのだろう。
—
RIAAがCloudflareに送付した書簡はこちらから(pdf)。
After RIAA Targets DJ & Producer Site Mixstep, Site Shuts Down – TorrentFreak
Publication Date: June 16, 2019
Translation: heatwave_p2p
Header Image:
Krys Amon