以下の文章は、Walled Cultureの「Coming soon: the next phase of copyright maximalism – destroying the public domain」という記事を翻訳したものである。

Walled Culture

パブリックドメインは、創造作品の自然な状態です。著作権による独占が切れたのち、創造作品が行き着く場所がパブリックドメインなのです。重要なのは、それが独占の条件であるということです。つまり、ある作品の創作者は、政府から一定の期間にわたって知的財産権を与えられ、その期間が終了すると作品はパブリックドメインとなり、営利目的であろうと誰もが自由に利用できるようになります。つまりこれはディールなのです。しかし、フランス議会の著作権マキシマリストたちは、このディールを破り捨てようとしているようです。以下は数日前に国民議会の75人の政治家が提出した財政法案修正案より抜粋したものです(翻訳:DeepL)。

本修正案の目的は、利益を上げるパブリックドメイン作品の営利使用に課税することで、芸術的創造への支援を増すことにある。

この措置は、著作権の対象とならない作品の自由で無制限な利用には影響を及ぼさない。

このために、本改正は、芸術的創造のために、知的財産法典L122-1からL122-12で言及される著作者またはその権利継承者に付与された利用権によってもはや保護されていない著作物の商業利用及び利益創出から得られる利益に対する課税を確立するものである。その税率は1%である。

これはパブリックドメイン資料に対する本質的な破壊行為です。従来の著作権から外れた作品の商用利用に税を課すというのは、実質的に、パブリックドメインとなったはずの作品の著作権を国家が主張し、永遠にその使用に料金を取るのと何も変わりません。

幸いなことに、この修正案は撤回されました。おそらく、様々な団体や専門家が恐怖の叫びをあげた結果でしょう。ですが、こうした提案は今回に限ったことではありません。著作権はすでに非常に長く強力なのですから、本来であればこれ以上できることは限られているはずです。お人好しの政治家でさえ、これ以上の保護期間の延長は国民の理解を得られないことくらい承知しています。ですから、著作権マキシマリストたちは、自分たちがこよなく愛する知的独占を強化する新たな方法を模索しなければなりません。今後再び、こうした邪悪な提案がなされるのは避がたいのでしょう。

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Coming soon: the next phase of copyright maximalism – destroying the public domain – Walled Culture

Author: Glyn Moody / Walled Culture (CC BY 4.0)
Publication Date: October 6, 2022
Translation: heatwave_p2p
Material of Header image: Jacques-Louis David and Georges Rouget