「世界の表現の自由が、あなたの手の中にある」
サンフランシスコ――電子フロンティア財団(EFF)と70を超える人権団体・デジタル権利団体は本日、マーク・ザッカーバーグ氏に対し、Facebookのコンテンツ削除手続きにおける真の透明性と説明責任を果たすよう呼びかけた。具体的には、Facebookが削除するコンテンツの数(正しく削除されたもの、誤って削除されたものの双方)を明確に説明し、削除に異議を申し立て、コンテンツを復旧するための公正かつ適時的な手段を提供するようFacebookに求める。
Facebookはいま、本当に脅迫的なコンテンツを削除するよう求める極めて強い――いまなお増し続ける――圧力に晒されているが、透明性や公正さ、誤りを修正する手続きがないままに、Facebookのコンテンツ削除ポリシーはしばしば、このプラットフォームで耳を傾けられるべき人びとの声まで巻き込み、黙らせている。
政治家や博物館、セレブリティ、著名な組織や著名人であれば、コンテンツが削除されたとしても、メディアの注目を集め、ほとんど問題なくコンテンツは復旧される――Facebookは彼らに謝罪することさえある。しかし、一般的なユーザにそれが期待できるだろうか? もちろん、そうはならない。Facebookの削除の決定に異議を申し立てられるのは、ごく一握りの状況に限られており、一般的なユーザには、異議申し立ての機会が与えられることはない。Facebookから削除通知を受け取ったユーザの報告を集約するEFFのプロジェクト「Onlinecensorship.org」には、異議申し立てができなかった数百件の不当な削除事案が報告されている。Facebookの削除したコンテンツは復旧されることはほとんどなく、一部のユーザは具体的な説明がないままプラットフォームを追い出されたという。
EFF、Article 19、Center for Democracy and Technology、Ranking Digital Rightsは本日、マーク・ザッカーバーグ氏に対し、一般的なユーザがコンテンツ・モデレーションの判断に異議申し立てでき、迅速な返答を得て、人間による適時的な審査を受け、その審査手続き中に証拠を提出する機会が与えられる常識的なスタンダードをFacebookに導入するよう要請する。この書簡には南米、欧州、中東、アジア、アフリカ、米国の70を超える人権団体、デジタル権利団体、市民権団体が共同で署名している。
「Facebookのコンテンツ・モデレーションの誤りを正してもらうために、有名人であったり、メディアに取り上げられなければならない、などということはあってはなりません。しかし、それはまさに現実に起こっていることです」とEFF 国際的表現の自由問題担当ディレクターのジリアン・ヨークは言う。「マーク・ザッカーバーグ氏は、世界に比類なきコミュニケーション・プラットフォームを作り上げました。彼が責任を負うのはすべてのユーザに対してであって、やかましい人たちや、企業イメージを悪化させうる人たちだけではないはずです」
適切かつ有効な異議申し立て手続きの他にも、制限されたコンテンツタイプの内訳、コンテンツ・モデレーション措置が着手されたきっかけ、異議申し立て・誤削除の件数など、コミュニティスタンダード執行における透明性レポートを公表するようマーク・ザッカーバーグ氏に要請する。
「Facebookはコンテンツ検閲の決定における透明性、説明責任の双方で、他のプラットフォームに後塵を拝している」とEFF情報セキュリティ上級顧問のネイト・カルドーゾは言う。「マーク・ザッカーバーグ氏に対し、サンタクララ原則を遵守し、Facebookのコンテンツ削除の頻度――そして誤削除の頻度について詳細な件数を公表するよう求めます」
「(Facebookの)コンテンツ・モデレーション・ポリシーの適用が一貫性を欠き、毎週莫大な数のコンテンツが不当に削除されていることを我々は知っています。しかし、その問題の大きさや、異議申し立ての対応状況を知るための数字やデータを我々は知らされていません」とカルドーゾは言う。「ザッカーバーグ氏は、世界の無数の人びとに影響をもたらすこれら決定について透明性を高めることをFacebookの最優先事項にしなくてはなりません」
この公開書簡について:
https://santaclaraprinciples.org/open-letter/
サンタクララ原則について:
https://santaclaraprinciples.org/
民間検閲に関する情報:
https://www.eff.org/deeplinks/2018/09/platform-censorship-lessons-copyright-wars
https://www.eff.org/deeplinks/2018/04/smarter-privacy-rules-what-look-what-avoid