以下の文章は、Access Nowの「Internet shutdowns shroud and facilitate brutality of Myanmar junta’s airstrike in Hpakant township」という記事を翻訳したものである。

Access Now

注意:本稿には無差別暴力や大量殺戮に相当する可能性のある行為、戦争犯罪への言及が含まれている。

Access Nowは、ミャンマー軍事政権が現在行っている戦争犯罪および、その残虐行為の隠蔽を意図したインターネット遮断を非難する。現地10月23日20時30分頃、カチン独立機構(KIO)の式典をミャンマー軍が空爆し、80人以上が死亡、100人以上が負傷した。意図的な通信遮断が実施されていたため、地元メディアがこの惨事を報道できたのは、数時間後の10月24日に入ってからだった。現在も通信が遮断されているため、現地の人々は犠牲者の数や状況に関する最新情報を把握できずにいる

「ヒパカントではモバイル・インターネットが430日以上遮断されています。先週から、外出禁止令のような形式で毎日およそ17時間にわたってWifiが遮断されています。接続できるのは朝10時から夕方17時までです」とAccess Nowのアジア太平洋政策アナリストのワイ・ピョ・ミィンは語った。「日曜夕方に爆弾が投下されたとき、通信が遮断されていたため、式典の大多数を占めていた市民たちは友人や家族に助けを求めたり、救急を呼ぶこともできませんでした。これは標的虐殺であり、インターネットの遮断によって軍の残虐行為の規模が隠蔽されているのです」

Access Nowは世界中のインターネット遮断を記録している。近年、こうした遮断はますます巧妙・長期化し、ますます多くの人々に危害を及ぼし、とりわけ弱い立場の集団が狙われやすい。2021年、ミャンマーのインターネット遮断の回数は世界第2位を記録している。

Access Nowの太平洋地域キャンペーン担当のゴルダ・ベンジャミンは、「インターネット遮断は、ミャンマーにおける(訳注:軍の犯罪行為)不処罰を助長し、表現・結社の自由、セキュリティ、プライバシーの権利、さらには生命への深刻な人権侵害をもたらしています」という。「命にかかわる通信プラットフォームから遮断された人々は、世界に自分の物語を伝える権利を奪われ、ミャンマーの人々の苦しみ――と勇気――にグローバルな注目を向けさせるために誰かを頼ることもできずにいるのです」

ミャンマーにおける組織的なインターネット遮断のタイミングは、しばしば反対派の拠点とされる村の抗議活動焼き討ちの時期と重なっている。インターネット遮断は人権侵害である。このような妨害行為を監視・記録・反撃していくために、国際的な協調が求められている。

Internet shutdowns shroud and facilitate brutality of Myanmar junta’s airstrike in Hpakant township – Access Now

Author: Access Now (CC BY 4.0)
Publication Date: October 27, 2022
Translation: heatwave_p2p
Material of Header image: Pyae Sone Htun