以下の文章は、コリイ・ドクトロウの「No one wants a permanent gerontocracy」という記事を翻訳したものである。
トランプ主義が何より気持ちを萎えさせるのは、おそらく、自分の周囲の人たちが――暴力も人種差別も、無知丸出しの嘘も野放しの略奪も、黙認どころか進んで是認するほどに――残酷で浅はかなのではないか、という恐怖だ。
https://www.techdirt.com/2025/07/08/who-goes-maga
こうした暗い日々を乗り越える支えになっているのが、世論調査の専門家、G・エリオット・モリスである。彼のニュースレター「Strength in Numbers」は、周囲の人々――トランプの支持基盤を含めて――が刻々とトランプに対してどう感じているかについて、信頼に足る、堅牢で、繊細な情報源である。「念のための確認――ドナルド・トランプの大統領職を支持する人はほとんどいない」といった記事を読むと、一日をやり過ごすのもいくらか楽になる。
https://www.gelliottmorris.com/p/a-reminder-very-few-people-support
非常によくできた記事で、トランプ主義への支持の崩壊、そしてこれまでトランプを支えてきた人々の間ですらトランプの精神的健康への信頼が崩壊している様子を分析している。もっとも――信じ難いことに!――米国人の約3分の1は依然として彼を支持し、彼の統治能力を信じているのだが。
だが、この記事で最も興味深い部分は、トランプとは間接的にのみ関わる問題ついての、驚くべき世論調査結果だ。すなわち、下院、上院、大統領、そして最高裁判所のいずれについても、年齢制限と任期制限の双方に、極めて幅広い超党派の支持が集まっている。
その広がりと超党派ぶりは、どれほどのものか。
- 米国人の80%が下院・上院での年齢制限を求めている(民主党78%、共和党83%、無党派79%)。
- 米国人の過半数が大統領の年齢制限を求めている(共和党73%、無党派61%)(最も支持される年齢上限は79歳)。
- 米国人の過半数(65%)が最高裁判事に18年の任期制限を求めている。
- 米国人の過半数(79%)が最高裁判事の年齢制限を求めている。
モリスが書いているように、これは「注目度の高い問題において、過去に前例のないレベルの超党派的合意」である。
この結果にはさまざまな解釈がありうる。この10年が明らかにしたのは、それを禁じる明確なルールが存在しない限り、現職は誰の目にも退くべきだと分かってからもなお、長々とその座に居座り続けるということだ。バイデンがそうだった。心身ともに職務を担えなくなったことが明白になった後も、彼は大統領の座を求める選挙運動を続けた。
ルース・ベイダー・ギンズバーグもそうだ。自分の後任は初の女性大統領に指名させるという象徴的な意義に固執した結果、トランプに、あの怪物じみたエイミー・コニー・バレットを最高裁の終身の椅子に据えることを許した。その在任期間は、この先30年続いてもおかしくない。アントニン・スカリアもそうだった。ミッチ・マコーネルがニール・ゴーサッチのために議席を強奪してのける気でいなければ、最高裁判事の指名権はオバマ政権の手に渡っていたはずだ。
現職下院議員のケイ・グレンジャーもそうだ。認知症が進行し、介護付き施設へ移らざるを得ないところまで来ていたにもかかわらず――しかも議席は保持したまま――スタッフはその事実を隠し続けた。
https://www.politico.com/news/magazine/2025/03/14/kay-granger-dementia-dc-media-00210317
ジェリー・コノリーもそうだった。癌で死に瀕していながら、監視委員会の委員長は自分であるべきであって、AOCではないと言い張ったのだ。
ダイアン・ファインスタインもそうだった。認知症がかなり進んでいたにもかかわらず、上院議員を務め続けた。
こうした政治家たちは、「義務を果たした」者すべてに順番が回ってくるべきだという年功序列と恩顧のシステムに縛られている。このシステムは、政治家が同僚から負い続けた借りを、後継者に指名することで精算するという前提に立つ。裏を返せば、政治家は後継者を選ぶ決心がつくその日まで、職を離れるわけにいかなくなるのである。
我々が作り上げてしまったのは、誰も権力を手放そうとしないシステムだ。相手陣営が老人支配者たちを権力の座に据え続けているのに、自陣営だけが手放すのは一方的な武装解除に等しい。だがこのシステムは、未来を担うはずの若手政治家の道を狭めるだけでなく、双方の政党に重大なリスクをもたらす。多数派の地位がわずか数議席差で、しかも自陣営に、保険数理上まもなく死ぬことが確実な議員が十数人含まれているとすれば、十分に起こりうる血栓が2つ生じただけでシステム全体がひっくり返りかねない。
https://pluralistic.net/2023/07/01/designated-survivors/
70歳(あるいは80歳、85歳)以上の政治家全員が職務遂行能力を欠いているということではない。現職優位と年功序列、恩顧主義、そして傲慢さが絡み合って回り続けるシステムが悪しきシステムだという話であり、その処方箋は任期に厳格な上限を設けることだけである――何年その職にあるか、何年この地上を歩いてきたか、この2点について。
義務を果たした者全員に順番が回るシステムはそもそも機能するはずがなかった。そのことは、このシステムに最も長く身を置いてきた面々にこそ、とりわけ自明であってしかるべきだった。彼らには、同僚たちがいかに長生きするかに気づき、その寿命を、権力の殿堂で手に入る委員長ポストや上院の議席、その他もろもろの宝の数と引き比べるために数十年を費やしてきたのだから。
選挙人団の廃止や政治資金の制限など、米国人の多数派に支持される良いアイデアは多数あるものの、こうしたアイデアはたいてい保守派からは非常に不人気である。
https://pluralistic.net/2023/10/18/the-people-no/#tell-ya-what-i-want-what-i-really-really-want
しかしこの領域には――モリスの言葉を借りれば――「ほとんど前例のない……超党派的合意」が存在する。すべての米国人が――(少なくとも下院、上院、大統領執務室、あるいは最高裁にいない)高齢の米国人でさえ――同意する唯一のアイデアだ。永続的な老人支配[gerontocracy]による統治は悪であり、終わらせるべきだと。
そう遠くない数ヶ月のうちに、両党は次の大統領候補を選ばねばならなくなる(共和党の場合は、トランプのチーズバーガー摂取量次第で、その時期がもっと早まるかもしれない)。その予備選は、「義務を果たした者全員に順番が回ってくる」という原理に従って統治されるべきかという問題を、暗黙のうちにつきつけてくる。そして抜け目のない政治家なら、高位の公職への年齢制限と任期制限を掲げて選挙戦を戦い、有権者から多大な支持を――そして同僚たちからは多大な憤激を――集めることができるだろう。
(Image: Pacamah, CC BY-SA 4.0, modified)
Pluralistic: No one wants a permanent gerontocracy (15 May 2026) – Pluralistic: Daily links from Cory Doctorow
Author: Cory Doctorow / Pluralistic (CC BY 4.0)
Publication Date: May 15, 2026
Translation: heatwave_p2p