現在、イタリア語スペイン語カタルーニャ語ポーランド語ラトビア語のWikipediaが、欧州連合の著作権指令案への抗議として、各記事へのアクセスを停止し、以下の声明にリダイレクトしている。2012年にも、米国の「オンライン海賊行為禁止法(Stop Online Piracy Act:SOPA / PROTECT IP Act:PIPA)」への抗議として、Wikipedia英語版やRedditなどが同様の機能停止(Blackout)を実施している

読者の皆様へ

2018年7月5日、欧州議会本会議は、インターネットのオープン性に深刻な害をもたらす著作権指令案の手続きを進めるかどうかの投票を行うことになっています。

欧州の著作権法を改正するこの指令は、全市民に情報社会への参加を促すどころか、オンラインの自由を脅かし、ウェブへのアクセスに障害をもたらし、新たな障壁、フィルター、制限を課すものです。この指令案が現在のかたちで承認されてしまえば、ニュース記事をソーシャルネットワーク上で共有したり、検索エンジンを通じて見つけることができなくなるかもしれません。そして、Wikipedia自体も危機に陥るでしょう。

すでにこの指令案に対しては、ウェブの発明者であるティム・バーナーズ=リーを始めとする70名を超えるコンピュータサイエンティスト(出典)、169名の学者や研究者(出典)、人権、報道の自由、科学研究、テック産業などの分野で活動する145の団体(出典)、この無料の百科事典を推進するWikimedia財団(こちら)から断固とした反対の声が上がっています

このような理由から、イタリアのWikipediaコミュニティはすべての百科事典ページを隠すことにしました。私たちは確認可能なコンテンツを持った、自由でオープンでコラボレーティブな百科事典をこれからも提供していきたいと考えています。私たちは欧州議会の全議員に対し、現在の条文を否決するよう求めます。そのうえで議論を再開し、Wikimediaからのさまざまな要請――第11条および第13条の削除、パノラマの自由のEU全域への拡大、パブリックドメインの保護――について再検討することを望んでいます。

https://meta.wikimedia.org/wiki/SaveYourInternet

Wikipediaユーザ一同

Wikipedia:Comunicato 3 luglio 2018/en – Wikipedia

Author: Wikipedia / CC BY-SA 3.0 IT
Publication Date: July 3, 2018
Translation: heatwave_p2p
Header Image: Alfredovic / CC BY-SA 3.0