任天堂はついに、ユーザが同社サーバからタダで3DSゲームをダウンロードするのをやめさせるための行動を起こした。以前に購入した3DSソフトであればいつでもダウンロードすることができるのだが、これがハッカーに悪用され、Freeshopのようなツールを使うことで購入していないタイトルでも好きなだけ入手できる状態になっていた。しかし、そのフリーライドはいま、終わりを告げた。
最新のゲーム機は例外としても、ゲームプラットフォームの大半は長らく海賊版に悩まされてきた。
最初期の家庭用コンピュータからNES、Genesis/MegaDrive、Playstation、XBoxに至るまで、規模の多寡はあれどもそのすべてが海賊版の問題に直面した。
製造会社も開発会社もその対策に熱心に取り組んでいるのだが、興味深いことに、任天堂自身が3DSの海賊版ソフトの配信に関与してきた。
この問題は、Nintendo 3DS、Wii U、最近ではSwitchのデジタル配信プラットフォームである「eShop」が抱えていたものだ。eShopではゲームやその体験版、アプリケーションがダウンロードできる。しかし、ハックした3DSでeShopサーバの穴を突けば、どんなゲームでもダウンロードできる状態になっていた。
オープンソースのNintendo 3DS Homebrew向けeShopオルタナティブ「Freeshop」を導入すると、ユーザはタイトルのキー/チケットを利用して「所有する」タイトルをインストールできる。これ自体は大きな問題ではないのだが、任天堂の認証システムが抱える穴を悪用することができてしまうのだ。
3DSユーザはコンテンツを購入したあとも、必要に応じてeShopからそのゲームを再ダウンロードすることができる。これはeShopが必要な証明書(チケット/キー)をユーザの端末に置き、誰がどのゲームを購入したのかを記録しているためだ。しかし、Freeshopは、ユーザの端末上のチケットのみを検索しており、ユーザがオンラインでチケットを自由に入手した場合には、大きな問題となる。
結論として、Freeshop(及び他の同様のツール)は、ユーザが任天堂のシステムを騙し、購入しているかのように振る舞い、任天堂自身のサーバから完全なコピーを直接ダウンロードできるようにした。つまり、任天堂自ら海賊版を配っていたということになる。
しかし昨日、すべてが終わりを迎えた。「Matt」(aka CheatFreak47)は、Twitterで任天堂がついに食べ放題のプラグを引っこ抜いたことを報告した。
Nintendo has enabled download authentication essentially every 3DS title on their CDN. Y'all know what this means… pic.twitter.com/Jhhf9PFrZl
— Matt (@Cheatfreak47) 2018年8月22日
「午前1時頃、任天堂は同社CDN上の2800タイトル以上の3DSのソフトウェアをアップデートし、そのダウンロードには有効なチケットを必須とした。チケットが無効である場合、ダウンロードしようとしても、サーバは403(Forbidden)を返すようになった」と彼は説明する。
CheatFreak47はReddit上の議論でさらなる詳細を明らかにした。
「eShopサーバのコンテンツは、購入したコンソールのみに送信される鍵で暗号化されていた。でも、3DSを完璧にハッキングすれば、海賊版を入手し放題だったわけだ。みんながキーをシェアしているからね」と彼はいう。
「新しいダウンロード認証システムでは、チケットが発行されると、コンソールはeShopサーバに暗号化されたコピーを送信して、ダウンロードを許可する前に認証するようになった」
任天堂がこの穴を塞ぐのにこれほど長い時間がかかった理由は定かではない。任天堂は長らくこの問題を認識しており、2016年にはFreeshopのGithubのリポジトリにDMCA削除通知を送り、直接行動を起こしている。
「Freeshopアプリケーションは、Nintendoの著作権を侵害しています。デジタルミレニアム著作権法が禁じる技術的保護手段の回避を可能にしているためです」と当時の申し立てにはある。
TheCruelとして知られるFreeshopの開発者は、この削除要請をを意に介さず、ユーザが不正にチケット/キーを導入した場合にのみ、侵害に当たるとした。
「Fuck Nintendo」と彼は書いた。
「(Freeshopは)ユーザが自分の購入していない、あるいは違法に入手したタイトルキーを利用した場合にのみ、保護手段を回避する。誰かが違法に銀行口座のパスワード/暗証番号を入手したとして、銀行のウェブサイトが盗難を促したと批判するだろうか」
最後に、任天堂は自らの問題を修正したが、それは3DSの海賊版問題が終わったことを意味するわけではない。それらタイトルはすでにほかの多数のソースで配布されている。ただ、そのインストールはちょっと難しいけれど。
Nintendo Plugs Leak That Provided Free 3DS Game Downloads – TorrentFreak
Publication Date: August 23, 2018
Translation: heatwave_p2p
Header Image: The Conmunity – Pop Culture Geek (CC BY-NC 2.0)