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ロシア文化省が著作権法の改正案を発表した。それによると、著作権者は侵害者が削除要請に応じない場合、裁判を起こすことなくウェブホストにブロッキングを命じることができるようになるという。また、サイト運営者は、プラットフォーム上に氏名や住所を記載することが義務づけられることになっているが、これがどのように実施されるかは不明だ。

インターネット上の著作権侵害は世界的な問題だが、それはロシアも例外ではない。現在、数多くの国民が映画や音楽、TV番組などのコンテンツにアクセスするために海賊版サイトを利用している。

ロシアはサイトブロッキングに関しては世界をリードする存在だが、現在提案されている提案が改正著作権法に盛り込まれれば、海賊版サイトの運営はさらに難しくなりそうだ。

2018年より著作権法の改正に着手してきた文化省は、今週、サイトブロッキング体制の強化を軸とした改正を進める方針を明らかにした。

草案を閲覧した同国メディアRBCによれば、海賊版コンテンツを提供するサイトを、裁判を経なくてもブロッキングするための措置が含まれているという。

ライセンスを得ずにコンテンツを提供するサイトが削除要請に応じない場合には、ウェブホストに直接ブロッキングを要請できるようになる。

さらに、この改正案が承認されれば、海賊版コンテンツを提供するプラットフォームの運営者は、自らの匿名性を失うことになるかもしれない。そうしたサイトすべてが、運営者の氏名、住所、その他連絡先に関する情報を記載しなければならなくなるというのだ。

現時点では、この要件がどのように執行されるのか、コンタクト情報の真偽をどのように確認するのかといった詳細は不明だ。しかし、意図的に侵害コンテンツをホスト、リンクする違法行為を犯しているサイト運営者が、やすやすと会社名や氏名(個人の場合)を明かすとは考えにくい。

RBCに報道によると、改正案の草案は、エンターテイメント業界との協議を経て、通信・マスコミ省、通信監督当局のロスコムナゾール、経済開発省の間で合意が交わされているという。

先日、当局は海賊版対策覚書を法律に落とし込むべく、権利者、ホスティングプラットフォーム、検索プロバイダによる協議を行っていたが、そのわずか数日後に今回の方針が報道されたことになる。

現在の自主協定では、ホスティング・プラットフォームと検索エンジンが、メディアやリンクを迅速かつ効率的に削除するために、侵害コンテンツを集中管理するデータベースを構築することを目指していた。

今週、映画・テレビ製作者協会のセルゲイ・セリヤーノフ会長は、この覚書が計画通り機能していると語っている。

最後に、同国最大手の検索エンジンYandexは、海賊版コンテンツを検出する独自ツールセットを開発し、公開したと伝えている。Yandexは、先ごろ確立された海賊版データベースから入手可能になった情報をもとに、機械学習を利用して検索結果を「浄化」するのだという。現在、同社はその詳細についてのコメントは控えている

Russia Plans to Block Pirate Sites Without Trial & De-Anonymize Their Operators – TorrentFreak

Author: Andy / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: March 15, 2019
Translation: heatwave_p2p
Material of Header Image: Howard Pyle