以下の文章は、TorrentFreakの「Stream-Rippers Successfully Counter YouTube’s Blocking Efforts」という記事を翻訳したものである。

TorrentFreakYouTubeは先週、ストリーム・リッピングサイトからのアクセスをブロッキングし始めた。不正ダウンロード防止対策の一環として行なわれたこの措置は、音楽業界ら関係者から歓迎された。しかし、標的とされたサイトも黙ってはいない。すでに複数のサイトがブロッキングの回避に成功している。

音楽業界は長らくYouTubeのストリーミングリッピングに不満を漏らしていた。先週、YouTubeはそれに応えて思い切った措置を講じた。

先日お伝えしたように、YouTubeは複数の人気ストリーミング・リッピングツールのブロッキングを開始し、それらのサイトは機能しなくなった。

YouTubeからコメントは得られていないが、第三者がYouTubeから音楽をダウンロードするのを阻止する取り組みと思われる。この動きは広く注目を集め、米議会にまで届いている。

報道によると、下院司法委員会委員党のジェロルド・ナドラー議員(ニューヨーク選出)が、Googleに説明を求めているという。ナドラー議員は、数多くの著作権改革提案を主導し、テクノロジー企業による積極的な著作権侵害対策アプローチを強く支持してきたことでも知られる人物だ。

CNETによると、ナドラー議員はこのブロッキング措置について詳細を知りたがっているという。この動きに強い関心を示す音楽業界関係者もおり、RIAAはこのニュースを慎重な姿勢を崩してはいないが概ね歓迎した。

「この新しい施策がどの程度の効果を上げるかはまだわからないが、急拡大する音楽の海賊版を阻止するための積極的な措置を講じるYouTubeに称賛を送りたい」とRIAAのミッチ・グレイジャー会長は語った。

我々はYouTubeにこの措置の詳細について質問しているが、返答は得られていない。一方、(幸運な)米CENTは、YouTubeが最近加えた変更で、「一部のMP3ストリームリッピングサイト」をブロッキングしたとのコメントを掲載している。

「規約違反のダウンロードやダウンローダーサイトを阻止するという点で、我々のコンテンツライセンサーと良い協力関係を築いていきたい」とYouTubeはコメントしている。

YouTubeは音楽業界の側に立ち、音楽業界は対策に満足している。だが、ブロッキングの標的となったサイトも黙ってはいない。おなじみのことではあるが、ブロッキングが行われれば、すぐにそれを回避する方法に注目があつまる。

実際、ブロッキングの取り組みが始まって1週間と経たずして、標的となったサイトの多くで再びMP3ファイルのダウンロードが可能になった。

Mp3-youtube.downloadはブロッキング開始直後に問題解決に取り組んでいることをアナウンスし、すでにサイトは以前の機能を取り戻している。同様に、Dlnowsoft.comOnlinevideoconverter.comも同様に先週ブロッキングされていたが、すでに以前通りにサービスを提供している(後者はインターネットのTop200にランクするサイトである)。

Ripping again…

TorrentFreakが、あるストリーム・リッピングサイトの運営者に話を聞いたところ、YouTubeのブロッキングを回避するのはそれほど難しいことではないらしい。サイトを新しいIPアドレスに移動するだけで、問題は解決したという。

「問題を解決するために、YouTubeにブロックされたIPアドレスの範囲外にある他のサーバを使用しました」とストリーム・リッピングサイトの運営者は説明する。

YouTubeが「確信犯的」ストリーム・リッピングサイトを本気で排除しようとしているのであれば、いずれ新しいIPアドレスもブロッキングの対象になるだろう。新たなイタチごっこが始まることになるのだろうか。

Stream-Rippers Successfully Counter YouTube’s Blocking Efforts – TorrentFreak

Author: Ernesto / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: July 19, 2019
Translation: heatwave_p2p
Material of Header Image: Bill Nicholls (CC BY-SA 2.0) / Paweł Czerwiński