以下の文章は、TorrentFreakの「Adult Site Calls For Google Action Against DMCA Notice ‘Carpet Bombing’」という記事を翻訳したものである。

TorrentFreak

Googleはアダルトサイトを標的とした虚偽のDMCA通知の絨毯爆撃を受けている。そうした通知には、個別のページではなく、メインドメインが指定されたものもある。被害を受けたサイトの運営者は、反論通知を提出してもGoogleから返答がないとして、同社に対する集団訴訟も検討している。

今年6月、アダルトサイトを標的とした虚偽のDMCA通知の大波が押し寄せているとの記事をお伝えした。

標的となったサイトには、アダルト系アニメ、コミックに特化した、いわゆる「hentai」サイトが含まれていた。

被害を受けたサイトは、Copyright Legal Services Inc.という『企業』(インターネット上にはこの企業が存在する形跡は見つからない)が、膨大なURL、なかにはサイトのホームページやサイト全体をGoogle検索から削除するための通知を大量送付していると訴えている。同社は日本のEYSIS, Inc.が運営するDLSiteというプラットフォームの代理人であるという(訳註:後述されているとうに、エイシス社はCopyright Legal Servicesによる大量送付については関知していないと述べている)。

6月に記事を公開したのちも、こうした活動は強硬に続けられた。しかし、当初Copyright Legal Servicesが送付していたのと同様の通知が、「Right Protection Corporation」という組織からも送付されていることが確認された。Right Protection Corporationは各サイトのメインのドメインページのみならず、そのサイトのウェブ構造全体を標的にしている。

以前のCopyright Legal Servicesと同様に、Right Protection Corporation(RPC)は通知の中で米国日本中国に拠点を置いていると主張しているが、ウェブ上でその存在は確認できない。彼らは数え切れないほどのURLを削除するようGoogleに大量の通知を送付しているが、その中には彼らが権利を主張できないような要求も含まれている。

我々が確認したある削除通知は、PDF形式で(訳註:侵害URLが)提出されており、DMCA透明性ポータルであるLumen Databaseが提供するツールでは容易に検索できないようになっている。

だがその中身を見ると、『RPC』がrule34.paheal.netという単一のサイトから数千のURLを削除しようとしていることがわかった。その対象には、アダルトコンテンツに関する警告やCookieに関する注意しか書かれていない(訳註:つまり侵害コンテンツが含まれていない)メインページも含まれている。こうした通知は他にも数多く提出されている(たとえばこちら)。

TorrentFreakは影響を受けたサイトの運営者に話を聞いた。Konachan.comの運営者は、Googleに反論通知を提出し、一部URLの復旧に成功したと話している。

だが、第一波の標的となったGelbooru.comの運営者は、コンテンツを復旧するためにGoogleの法務チームと連絡をとるのに非常に苦労させられたと話す。本来であれば、適切なDMCA反論通知が提出された場合、対応が義務づけられているにもかかわらず。

「彼ら(の標準運用手続き:Standard Operating Procedure)は、訴訟を起こさない限り是正されることはありません。私たちはいま集団訴訟の準備を進めています。もし同様の状況に直面しているウェブサイトの運営者の方がいれば、直接連絡をください」と話す。

「集団訴訟を起こすために、あと3名の原告の参加を求めています。GoogleにDMCA反論通知を送付して、無視されたり、拒否された方の参加を待っています。Discordで私、『lozertuser』まで直接メッセージを送ってください」

その狙いは、Googleが反論通知に応じるか、あるいは、Gelbooruの弁護士との協議に応じ、これ以上時間を浪費することなく問題を解決するかをGoogleに迫ることにある。集団訴訟が起こされないことが望ましいのだろうが、その可能性は依然残されている。

ところで、通知において保護を求める当事者とされているプラットフォームのDLSite.comが、同社の名前で提出された大量の通知との関係を否定していることも強調しておくべきであろう。

サイト「OneAngryGamer」に送付された声明によると、同社は我々が以前に公開した記事について、「EISYS, Inc.およびDLsiteは、この問題には関与しておりません。当社がDMCA通知を送信する場合には、Eisys, Inc.として送付しております。『Copyright Legal Services INC’.』という企業については何も知りません」と述べている。

Adult Site Calls For Google Action Against DMCA Notice ‘Carpet Bombing’ – TorrentFreak

Author: Ernesto / TorrentFreak / CC BY-NC 3.0
Publication Date: September 07, 2019
Translation: heatwave_p2p
Material of Header Image: Dave Fayram (CC BY 2.0)