もはや英国のインターネットユーザはISPによる海賊版サイトのブロッキングに慣れきってしまっているかもしれない。インターネット・プロバイダは、著作権侵害コンテンツを提供するトレントサイト、ダウンロードサイト、ストリーミングポータルなど、幅広いウェブサイトをブロッキングするよう命じられている。関係するISPによると、複数のリバース・プロキシを含むブロッキングURLリストは現在3800を超えるという。
この数年、エンターテイメント業界にとって、ウェブサイト・ブロッキングはお気に入りの海賊版対策ツールになっている。
英国はこの分野のトップランナーだ。高等法院は、多数の人気ファイル共有サイトへのアクセスをブロックするよう国内ISPに命じている。
こうしたブロッキングには一定の効果はある。少なくとも、ISP加入者は直接そのドメインにアクセスできなくなる。しかし、海賊版ユーザたちにはそれを回避する様々な手段を手にしている。
ブロックされたサイトやその支援者たちは、しばしばリバース・プロキシを作成する。これらはユーザに新たなドメイン名を介してブロックされたページへのアクセスを可能にし、裁判所が命じた制限を回避することができる。少なくとも、それが存在する限りにおいては。
英国のブロッキング命令は一般的に、著作権者に新たに裁判を起こすことなく、ブロックリストを拡張することを許している。つまり、パイレート・ベイが新しいプロキシを作ったとしても、権利者はISPにその新しいドメインをブロックするよう追加させることができる。
こうした拡張権限を与えた結果、英国のブロッキング・ドメインリストは、この数年でかなりの数に増えている。総じてまったく透明性はないが、とある関係ISPから我々が得た情報によると、既に数千のドメイン名がブロッキングリストに追加されているという。
このISPがブロックしなければならないのは、合計3814URLにも上り、その大半はプロキシであるという。また、同じドメインでもwwwありとwwwなしで重複しているものもある。
このリストには、パイレート・ベイだけでも数百のドメインが含まれている。もちろん将来的にはもっと増えることになるだろう。
この『プロキシ・ブロッキング戦争』のキープレイヤーはUnblockedだ。このサイトはブロックされていない多数のプロキシを提供し、ブロッキングの回避を可能にしている。サイトとそのプロキシがブロックリストに追加されることもあるが、そうしたブロックはすぐさま回避される。
「サイトがブロックされたという報告が複数あると、その日の内に新しいドメインにリダイレクトします。非常に単純なルーティーンですし、まだまだ続けていけますよ」と以前、Unblockedのオーナーは我々に語った。
「英国でのUnblockedの人気を考えると、こうした戦略は海賊版対策として有効だとは思えません。Unblockedへのトラフィックは、多くのドメインが変更されてもほとんど変化はありませんから」
すべてのサイト運営者がUnblockedのように粘り強いわけではないが、3800以上のドメインがブロックされたとしても、このイタチごっこに終わりは見えない。著作権者は新たなドメインをブロックリストに追加し続けるだろうが、サイト所有者たちはあちらのドメインからこちらのドメインへの飛び移り続けるだろう。
その間にも、海賊版サイトのブロックリストは5桁に向けてその数を増やし続けるのだろう。
UK’s Piracy Blocklist Now Exceeds 3,800 URLs – TorrentFreak
Publication Date: March 20, 2017
Header Image: sima dimitric / CC BY 2.0
Translation: heatwave_p2p