欧州議会への書簡：デジタルサービス法は表現の自由・プライバシー・人権を損ねるものであってはならない

Electronic Frontier Foundation

欧州法務委員会（JURI）は9月30日、以下の提案を賛成15、反対9で承認した。この提案は今後、域内市場・消費者保護委員会（IMCO）に送られ、11月8日の採決に向けて見解をまとめる事になっている。

EFFやAccess Nowなど、欧州連合（EU）の市民社会団体は、欧州議会（EP）での重要な委員会での採決を前に、欧州委員会のデジタルサービス法（DSA）のさまざまな修正案を注視している。従来のオンラインプラットフォーム規制をオーバーホールするDSAが、テック・プラットフォームとインターネットユーザとの関係に透明性と開放性の新時代をもたらすことを望んでいる。DSAは、オンライン上の人権を保護し、欧州市民が自分のインターネット体験をより自由にコントロールできるものでなくてはならない。

DSAが正しい方向に進んでいることを確認するため、我々は欧州議会に対し、自由で民主的な社会に不可欠な電子商取引指令の骨子を弱体化させる一線を越えた提案を否決することを求めている。我々は本日、欧州議会議員に宛てた書簡で、オンラインの表現の自由、周縁化されたグループ、ユーザのプライベートコミュニケーションの尊重は、交渉の余地のない重要な原則であるという明確なメッセージを伝えた。

免責を維持せよ

欧州議会法務委員会（JURI）が提案するコンテンツ・モデレーション／キュレーションの基本的な機能を果たすインターネット企業の責任免除を制限する提案は、EU司法裁判所の判例法に反し、正当なコンテンツが大規模に過剰削除される結果をまねく。今週、委員会で採決にかけられるこの危険なアイデアは否定されなければならない。DSAは、オンライン仲介事業者が引き続きEUにおける包括的免責の恩恵を受け、ユーザが投稿したコンテンツへの責任を問われないようにすべきである。また、適法表現の近視眼的な削除を招く修正案や、EU憲章に基づく人権の保護、欧州司法裁判所の判例に準拠しない修正案は、すべて否決されねばならない。

プライバシーを保護し、フィルタリングを拒絶せよ

さらに、ユーザの通信を監視する無差別監視や、アップロードフィルターを企業に強制するような措置は、DSAにはふさわしくない。プライバシーとその個人情報の保護は、EU憲章に定められた基本的権利である。DSAは、ユーザのプライバシーに対する期待を尊重し、監視や検閲を受けずに通信する権利を保護しなければならない。

一般のインターネットユーザを二級市民として扱うな

我々は、強者を優遇し、政治家やよく知られた公人に特権を与えるようなトラステッド・フラッガー（Trusted Flaggers）提案を強く懸念している。プラットフォームが彼らからの通知を優先するよう義務づけられれば、政府や法執行機関は第一級として扱われることになる。悪用される危険性があるだけでなく、一般ユーザが二級の扱いを受けることになり、民主主義における表現の自由に反することにもなる。プラットフォームは、一般ユーザに厳しいルールを適用し、政治家やインフルエンサーに寛大なルールを適用するよう強制されてはならない。

欧州議会への書簡
https://www.eff.org/document/dsa-joint-letter-ep

デジタルサービス法（DSA）について
https://www.eff.org/issues/eu-policy-principles

Access Nowの声明
https://accessnow.org/civil-society-eu-digital-services-act

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