Fight for the FutureとYouTubeチャンネルChannel AwesomeがDMCAの濫用に抗議するためのキャンペーンを立ち上げた。このキャンペーンは1日と経たずして、5万ものリアクションを生み出し、そのコメントを米著作権局に送り届けた。政府のサーバが高負荷によって「クラッシュ」するほどに、市民の関心は高まっているようだ。
現在、米政府はDMCAセーフハーバー条項の有効性を評価するため、パブリック・コメントを募集している。この領域には、自動化された削除要請やDMCAの濫用などの問題が含まれている。
コメントの締切は今晩までとなっているが、3ヶ月前にアナウンスされたにも関わらず、昨日までに数十件のコメントしか集まっていなかった。
しかし、Fight for the Future(FFTF)と人気のYouTubeチャンネルChannel Awesomeが加わったことで、状況は激変した。彼らは昨日午後、DMCA削除の濫用や検閲に抗議の声をあげるよう働きかけるキャンペーンを立ち上げ、圧倒的な反応を引きだした。
キャンペーンのビデオは今朝までに17万回再生されており、その盛り上がりはTakedownAbuse.orgのフォームを経由し、著作権局に5万件のコメントを届けることになった。
その結果、パブリック・コメントを受け付けていたRegulations.govは、暫くの間反応しなくなってしまったという。
「大量のパブリック・コメントが短時間のうちに提出されたことで、政府のウェブサイトがクラッシュしているようだ」とFFTFは記している。
その結果、TakedownAbuse.orgに寄せられた多数のコメントが、いまだRegulations.govに提出されておらず、順次処理されている。そこで、パブリック・コメントの締切を延長するよう彼らは求めている。
「DMCAはすべてのインターネットユーザに影響を及ぼしている。だからこそ、コンテンツがインターネットで検閲される方法に懸念を表明する機会が提供されなくてはならない。さもなくば、表現の自由に取り返しのつかないダメージを与えることになる」とFFTFの共同創設者Tiffiniy Chengは言う。
「著作権局は、これらの声が届くことを確実にする責任がある。締切を延長し、ウェブサイトを維持し、その間コメントを受け付けられるようにしなければならない」
キャンペーンサイト経由で著作権局に送られたコメントには、DMCA削除プロセスを濫用したり、フェアユースを考慮しない著作権者に法定損害賠償責任を課すよう議会に要求するものもある。また、YouTubeのコンテンツIDシステムを含め、自動削除システムの停止を求めてもいる。
このキャンペーンによって引き出された膨大なパブリック・コメントの数を考えると、評価が終わったとき、著作権局がどのような結論を下すのか、非常に楽しみだ。
“50,000 People Protest DMCA Abuse, “Crash” Government Server – TorrentFreak”
Publication Date: April 01, 2016
Translation: heatwave_p2p
最終的に、8万6000件以上のパブリック・コメントが著作権局に届けられたようだ。
Amazing. As of the deadline last night more than 86,000 had submitted comments to https://t.co/mCKtVsVYpw!!! #WTFU pic.twitter.com/0rOrWCrh6o
— Fight for the Future (@fightfortheftr) 2016年4月2日
このキャンペーンを経由したパブリック・コメントの応募は、TakedownAbuse.orgの用意したテンプレートコメントをベースにしたものが大半と思われる。
そういえば日本でも2007年、インターネットユーザ協会(MIAU)がダウンロード違法化を阻止するため「パブコメジェネレータ」を公開し、数千件のパブコメが文化庁に撃ち込まれたのを思い出す。そして、多数のパブコメが寄せられたにも関わらず、文化庁の川瀬真著作物流通推進室長(当時)が、「(そのほとんどが)ネット上のひな形を利用して書かれたもので、ほぼ同じ内容」と揶揄したことも。