YouTubeは継続的にサイトとサービスをクラックされ、ビデオがダウンロードされている。最近、YouTubeはTubeNinjaの運営者に運営の停止を求め、さもなくば訴訟を起こす用意があると伝達した。しかし、このビデオダウンロードサービスは、運営方針を変更するつもりはないという。
10億人以上のユーザを抱えるYouTubeは、インターネット最大のビデオポータルだ。
1日あたりの動画視聴時間は数億時間にのぼり、多くのユーザにとって音楽を楽しむもっとも重要なツールでもある。
YouTubeはたくさんのクリエイターに実りをもたらす一方で、権利者の懸念の種ともなっている。特に音楽レーベルは、外部サービスを利用してミュージックビデオが簡単にダウンロードできてしまうことに強い不満を抱いている。
この問題を解決するため、YouTubeはこうしたサードパーティ・サイトにコンタクトを取り、ダウンロード機能を停止するよう求めている。そして最近、YouTubeの法律チームは人気のダウンロードサービスTubeNinjaにコンタクトを取った。
「御社のウェブサイト、その他マーケティング資料から、TubeNinjaはユーザにYouTubeのコンテンツをダウンロードされることを目的としていることは明らかである」 とYouTubeの法律チームからのメールには書かれている。
YouTubeによると、ビデオダウンローダーはサイトとAPIの利用規約(ToS:terms of service)に違反しているという。とりわけ、YouTubeの利用規約はサイト上にダウンロードリンクのないビデオのダウンロードを禁じている。
さらに、サイト運営者がサービスの提供を継続した場合、「訴訟を起こす可能性もある」という。
TubeNinjaの運営者ネイサンは、こうした圧力にもかかわらず、ダウンロード機能を停止するつもりはない、と話す。彼はYouTubeに対して、彼のサービスはYouTube APIを使用しておらず、YouTubeとTubeNinjaの利用規約を守るかどうかはユーザ次第であると伝えた。
「われわれの利用規約では、サービスを適法に使用することをユーザに求めています」とネイサンは話す。
TubeNinjaは、YouTubeがダウンロード機能を停止するよう求める強い法的根拠を持っていないと考えており、同社に説明を求めているという。彼はまた、まさにGoogleが所有するChromeサービスにおいて、全く同一のダウンロード機能を持つプラグインが多数提供されていると指摘する。
「彼らは、ユーザに全く同じことをさせるChromeのプラグインを削除するつもりはないのでしょう」とネイサンは言う。
「Savefrom、Keepvid、clipconverterなどのサービスが2008年ごろから現在まで続いていることを考えても、実際に訴訟を起こされる可能性は低いと見ています。視聴者がテレビ放送を録画するとして、VHS録画機の製造会社を訴えるようなものでしょう」と彼は付け加えた。
YouTubeがダウンロードサービスに行動を起こしたのは、これが初めてでははない。過去にも複数のサイトに同様の警告を発している。
2012年、GoogleはYoutube-mp3.orgに、TubeNinjaに送られたものと同じようなメールを送付している。しかし、こうした努力にもかかわらず、Youtube-mp3.orgはいまだ存在し、日々数百万のユーザに変換ツールを提供している。
“YouTube Threatens Legal Action Against Video Downloader – TorrentFreak”
Publication Date: May 30, 2016
Translation: heatwave_p2p