著作権団体、海賊版サイトを野放しにする.ORGレジストリを偽善者と非難

TorrentFreak

ディズニー、20世紀フォックス、NBCユニバーサル、Viacomなどが加盟する大規模な著作権団体Copyright Allianceは、米国の.ORGドメインレジストリにパイレート・ベイへの対処を迫っている。Copyright Allianceは、このレジストリがこの悪名高きトレントサイトを野放しにしているとして、ドメイン名の凍結を求めている。一方、パイレート・ベイの運営は、こうした圧力をまったく気に掛けてはおらず、1つのドメインが奪われてたところで何ら影響は受けないと話している。

4年前、ドメインを凍結されることを恐れたパイレート・ベイは、もともとの.ORGドメイン名から離脱した。

当時、ドメイン名の凍結はそこかしこで行われており、パイレートベイの運営は、米国のドメインレジストリが彼らの.ORGドメインも凍結するのではないかと懸念した。

とはいえ、安全なドメイン名を探すのは、言うほど簡単ではなかった。結局、パイレート・ベイは数々のドメイン名を失い、数週間前に.ORGドメインに戻ってきた。

こうしたドメインの移行は、複数の著作権団体から監視されている。彼らは以前、パイレート・ベイのドメインを凍結するようレジストリに迫り、おおよそ成功してきている。しかし、.ORGドメインを管理するPublic Interest Registry（PIR）は、いまのところそうした凍結要請には応じていない。

それが権利者たちを怒らせた。米国の責任あるレジストリであるにもかかわらずなぜ対応しないのか、と。彼らのこれまで、そうした不満の声を公にすることはなかった。しかしついに、MPAAやRIAAなど、多くのそうそうたる権利者たちから構成されるCopyright Allianceが、PIRへの攻撃を開始した。

「米国のドメイン名レジストリが――自ら『公益（public interest）』に身を捧げると掲げているにもかかわらず――.orgドメインにホームを置く明らかに違法なサイトを看過していることに驚きを隠せない」とカップファーシュミッドは言う。

「パイレート・ベイの運営者は著作権侵害犯罪で有罪判決をうけ、世界各地でパイレート・ベイのドメイン名が剥奪あるいは凍結され、さらに共同設立者のピーター・スンデが（翻訳註：刑期を終えて）出てきていることを考えれば、実に気がかりな状況である」と彼は付け加えた。

多くの権利者の目には、パイレート・ベイ・ドメインの凍結は正しきこととして映っているようだが、ドメイン産業のプレイヤーにとって、必ずしも同意できることではなさそうだ。適法手続きを経ずにドメインを自発的に切断するのは行き過ぎである、と。

また、レジストリはCopyright Allianceが言うほど偽善的ではない。たとえば、PIRはウェブサイト上で、不正使用ポリシーは著作権侵害問題には適用されず、その場合は、ICANNのドメイン紛争解決ポリシーに従うことを明記している。