フロリダ州連邦裁判所は、幅広いウェブサイトブロッキングへの扉を開く命令を無効とするよう求めるCloudflareの要請を棄却した。RIAAが勝ち取ったこの命令は、今は亡きMP3Skullに対して適用されたものだが、より広範囲に影響をもたらす可能性がある。
3年前、レコード業界団体のRIAAは、海賊版MP3ダウンロードサイトMP3Skullを提訴した。
同サイトは、数百万人の月間ビジターを誇り、海賊版音楽の主要ソースとなっていた。
2016年、レコード業界はMP3Skullに勝利したが(日本語記事)、当初、MP3Skullは裁判所の命令を無視して運営を継続した。これにより、RIAAはCloudflareなどの第三者サービスに照準を切り替え、同サイトに関連するドメインをブロックするよう求めた。
Cloudfareはこれに反論し、同社は DMCAによりブロッキングの要求から守られていると主張。しかし裁判所は、本件においてDMCAは適用されないとの判決を下し、広範囲に及ぶ海賊版対策フィルタリングへの扉が開かれることになった。
裁判所は、Cloudflareに差止命令を下すに際して、同社が海賊版サイトに「積極的な協力ないし参加」をしていたかどうかを判断しなくてはならない、と強調していた。しかし現在のところ、それが求められる状況にはない。MP3Skullがサイトを閉鎖したためだ。閉鎖以降、RIAAはこの問題に関連したアクションはほとんど見せていない。
すぐさまサイトブロッキングをしなくてはならないという状況ではなくなったものの、将来的に権利者が同様のブロッキングを要求する道が開かれてしまった。そこでCloudflareは裁判所に対し、MP3Skullがもはや存在しない以上、この命令は意味をなさないとして無効とするよう求めていた。
今週、米地方裁判所のマルシア・クーク判事は、この請求を棄却した。
もちろん、これはRIAAやそのメンバー企業にとって喜ばしいことだろう。
当然、RIAAとしては、同様のブロッキング要請への扉を今後も開いたままにしておきたいだろう。RIAAは以前、Cloudflareがこの命令を無効とするよう要請してるのは、海賊版サイトに対する責任を回避したいがためだ、と指摘していた。
判決は有効とされたままであるが、クック判事は両当事者に譲歩と明確化に向けて協議し、新たに提案するために2週間の猶予を与えた。
「両当事者は、2018年4月10日まで、本件において提起された問題の解決に向けた共同提案を作成し、提出することが認められる」とクック判事は記している。
Cloudflare Fails to Eliminate ‘Moot’ Pirate Site Blocking Threat – TorrentFreak
Publication Date: March 5, 2018
Translation: heatwave_p2p
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