以下の文章は、電子フロンティア財団の「How to Ditch Facebook Without Losing Your Friends (Or Family, Customers or Communities)」という記事を翻訳したものである。

Electronic Frontier Foundation

本日、我々は「友だちを失わずにFacebookを去る方法」を公開した。このスライドショーとエッセイは、Facebookがいかにユーザを囲い込んでいるか、そして相互運用性がどうしてユーザを解放してくれるのか、そして、米国のACCESS法が想定する未来の「相互運用的Facebook」とはどのようなものかを説明する。

※訳注:上記の動画はオリジナルの動画に日本語翻訳字幕をつけたものである。オリジナルの動画はこちらから

Facebookの横暴な/手ぬるいモデレーション監視パトロールしてくれる請負業者コンテンツを提供するパブリッシャへの不当な扱いに文句を言う人は無数にいるが、それでも彼らはFacebookを使い続けている。

Facebookもその批判者も、このパラドキシカルな現象をこう説明する。Facebookがあまりにも魅力的なので、人々は嫌々ながら使っているのだ、と。一部の批判者は、Facebookが「ドーパミン・ループ」のようなテクニックを駆使した「中毒的テクノロジー」を完成させた証拠だと考えている。だが、Facebookはこうした批判をむしろ好んでいる。なぜなら、Facebookが広告主に売り込むには格好の宣伝になるからだ。「我々はユーザを操作するのが非常に上手なので、あなたが何かを売りたいならお助けしますよ」と。

だが、我々はこう考えている。不満を抱えたFacebookユーザは、友人や家族、コミュニティ、顧客を捨てられないからこそ、Facebookを使い続けているのだ、と。Facebookの経営陣もそう考えているようで、Facebookから離脱しようとする不届きなユーザへの「スイッチング・コスト」の引き上げを画策する内部メモがリークされている

「スイッチング・コスト」とは、製品やサービスを切り替える際に捨てなければならないものすべてを指す経済学用語だ。プリンターを手放せば、大量に購入したインクすべてが無駄になるかもしれないし、スマートフォンのOSを替えれば購入したアプリやメディアを失うことになるかもしれない。

Facebookを離脱する代償は、Facebookに残っている人たちとのつながりを失うことだ。FacebookはメッセージとコミュニティをFacebookにログインしているユーザだけがアクセスできる「ウォールド・ガーデン」の中に閉じ込めている。したがって、Facebookをやめるという選択肢は、あなたにとって大切な人たちをFacebookに置き去りにすることを意味する(一致団結してFacebookを離脱することもできるが、その場合はもう1つの経済学用語、「集団行動問題」[全員から1つの行動の同意をとりつけるためには高いコストがかかる]に直面することになる)。

そこで相互運用性の出番だ。米国のACCESS法や欧州のデジタル市場法(DMA)は、最大手のテック企業にライバルの中小企業の参入を認めさせ、ユーザがFacebookの外から、Facebook内の個人やコミュニティとメッセージを交換できるようにしようとしている。

この「友だちを失わずにFacebookを去る方法」では、こうした法律の背景にある論理的根拠を説明する。アカウントの設定からプライバシーの保護、Facebookが一方的に押し付けているユーザへの制限や許可を取り払い、コミュニティによるモデレーションポリシーのコントロールに至るまで、連合・相互運用可能なFacebookとはどのようなものかを案内する。

プレゼンテーションは、ビデオハイライトリールPDFウェブページで御覧いただける。この架空の製品のユーザマニュアルが、あなた自身の想像力を刺激し、現在のトップヘビーで独占的なインターネットではない、よりよいインターネットを希求する(あるいは創り上げる)原動力となることを願っている。

How to Ditch Facebook Without Losing Your Friends (Or Family, Customers or Communities) | Electronic Frontier Foundation

Author: Cory Doctorow / EFF (CC BY 3.0 US)
Publication Date: September 19, 2022
Translation: heatwave_p2p