今日初めてDMCA削除通知を受け取った。僕が公開したのは、非営利団体Kwaze-Kwaze [USA] Inc.が公開しているIRSの情報だ。Kwaze-Kwazeは僕のISPにメールを送り、それを削除するよう要請した。どうして彼らがこの公開情報をインターネットから消したいのかはわからないが、法律がそれを許しているということは確かだ。
ご存じない人のために、デジタルミレニアム著作権法には(有名な回避禁止条項とは別に)OCILLAという章があって、インターネットへの著作物の投稿を規制している。(翻訳註:いわゆるセーフハーバー条項が含まれる章)
ここでの利害関係者は大きく3者ーー著作権者、ISP、インターネットユーザに分けられる。著作権者は著作物をオフラインにするために強力なツールを求める。ISPは著作権法が彼らに適用されないことを望む。そしてインターネットユーザは面白いコンテンツを公開したり読んだりできることを望む。OCILLAは主にISPによって書かれたもので、著作権者やユーザを犠牲にして、彼らの利益を最大化している。
著作権者が貧乏くじを引かされるのは僕としてはいい気味だとしか思わないーー彼らは一部の人々が著作物をアップロードしているというだけで、YouTubeを違法化するための法改正を求めているが、もしそれが実現したら、ユーザ生成コンテンツをアップロードできるウェブサイトは存在できなくなるだろう。
でも、僕が腹立たしいのは、法律がユーザにとって十分でないことだ。送られてきた削除通知も明らかに馬鹿げたものだったーーこの情報は著作権保護の対象ですらなく(それは全て米政府が公表した基本的な事実と統計で構成されている)、そもそも著作権侵害を主張することはできない。にもかかわらず、僕のISPは、そのページを削除しないとウェブサイト全体をオフラインにするぞ、と言ってくる。もしISPがそうしなければ、彼らは著作権法に基づいて訴えられ、重い罰金を支払わされることになるから、そうせざるをえない。
そのページを元に戻すためは、偽証罪に問われる可能性を理解した上で、僕はこの削除が間違いであると宣誓しなくてはならない(にもかかわらず、削除通知の送付者は、削除が正当であることを宣誓しなくてもいいことになっている!)。もし送付者が僕の反論に納得しなければ、裁判に至る。それまで2週間待たされることになる。2週間も!(翻訳註:DMCAでは、反対通告の提出から2週間以内に権利者が著作権侵害訴訟を起こさなければ、サービスプロバイダは非公開にしていたコンテンツを元に戻して良いことになっている)
つまり、DMCAはあなたのサイトのページを2週間もの間、インターネットから消し去ることを可能にしている。こんなの悪用されかねない法律なんてもんじゃない、法律そのものが間違っている。
Publication Date: November 14, 2009
Translation: heatwave_p2p
Header Image: Bob May / CC BY-NC-SA 2.0